2004 Fiscal Year Annual Research Report
E2A‐HLFキメラ転写因子の抗アポトーシス機能を有する標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
16591051
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 秀光 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (10205239)
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Keywords | E2A-HLF / survivin / apoptosis / t(17;19) |
Research Abstract |
ヒト正常細胞では発現せず、がん細胞で特異的に発現していおり、抗アポトーシス機能を有するIAPファミリー蛋白の一つsurvivinがt(17;19)^+ALLのE2A-HLFキメラ転写因子(E2A-HLF)の標的遺伝子であり、白血化に強く関与しているという仮説に基づき研究を実施した。 1.SurvivinはE2A-HLFの標的遺伝子である。 保有する4種類のt(17;19)^+ALL細胞株、他のALL細胞株を用いてsurvivinのノーザン法、イムノブロット法で発現量を検討した。その結果t(17;19)^+ALL細胞株において特にsurvivinの発現が強いことを確認した。t(17;19)^+ALL細胞株にE2A-HLFのdominant negative(dn)を遺伝子導入した細胞株を用いて、E2A-HLF(dn)過剰発現させるとsurvivin発現量が低下し、t(17;19)^-ALL細胞株にE2A-HLFを遺伝子導入した細胞株を用いて、E2A-HLFを過剰発現させるとsurvivin発現が誘導できた。Survivinのプロモーター領域をクローニングし、ルシフェラーゼアッセイを実施した。t(17;19)^-ALL細胞株にE2A-HLFを誘導するとルシフェラーゼ活性が上昇することを確認した。以上より、survivinはE2A-HLFの標的遺伝子であることを証明した。 2.t(17;19)^+ALLの白血化のメカニスムにおけるsurvivinの関与について。 Survivin T34のリン酸化によりcaspase3/7の活性化を抑制し、apoptosisを抑制し発ガンに関与していることが知られている。PCRを用いてsurvivinのT34Aの変異を作成し、t(17;19)^+ALL細胞を含むALL細胞株に導入したところ、t(17;19)^+ALL細胞株で多くのapoptosisを観察した。
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Research Products
(3 results)