2005 Fiscal Year Annual Research Report
E2A-HLFキメラ転写因子の抗アポトーシス機能を有する標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
16591051
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 秀光 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (10205239)
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Keywords | E2A-HLF / survivin / apoptosis / t(17;19) / ALL |
Research Abstract |
昨年までにがん細胞で特異的に発現し、抗アポトーシス機能を有するIAPファミリー蛋白の一つsurvivinがt(17;19)^+ALLのE2A-HLFキメラ転写因子(E2A-HLF)の標的遺伝子であることを証明した。本年度はより詳細な検討を行った。 1.survivin発現と細胞周期の関係についての解析 survivinは細胞周期のG2/M特異的に発現することが知られている。しかし、一部の予後不良ながん細胞では細胞周期非依存的に全細胞周期で発現することが知られている。予後不良な白血病t(17;19)+ALL細胞株におけるsurvivin発現と細胞周期との関係を他のALL細胞株と比較しながら検討した。その結果、他の白血病細胞株に比べ、t(17;19)+ALL細胞株では細胞周期非依存的にsurvivinが発現していた。更にt(17;19)-ALL細胞株にE2A-HLFを遺伝子導入し、過剰発現させると細胞周期非依存的にsurvivin発現する傾向を認め、E2A-HLFが細胞周期非依存的発現に関与していることを見出した。 2.survivinのアポトーシス抑制の機序解析 surivivinはT34のリン酸化によりCaspase3/7の活性化を抑制することによりapoptosisをブロックすることにより発ガンに関与していることが知られている。t(17;19)+ALL細胞株においてはどうか検討した。dominant negative survivin(survivin T34A)を導入したt(17;19)+ALL細胞株では急速にapoptosisを生じる。Caspase3/7,9の活性化は36〜48時間とアポトーシス出現に比して遅れており、AIFがミトコンドリアから核へ移行してDNA断片化が生じていることを見出した。t(17;19)+ALLにおいてはsurvivinがAIFの核内移行を抑制することで白血病化していると考えられた。
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Research Products
(6 results)