2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓で作動する組織レニン・アンジオテンシン系の血圧調節、腎組織障害における意義
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16591055
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
新村 文男 東海大学, 医学部, 講師 (30282750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 家國 東海大学, 医学部, 教授 (80317768)
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Keywords | アンジオテンシノーゲン / AT1受容体 / conditional targetting / Cre-loxPシステム / 組織レニン・アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
1.尿細管特異的アンジオテンシノーゲン遺伝子不活化マウスの作製 アンジオテンシノーゲン遺伝子(Agt)のエクソン2を挟むようにloxP配列を挿入した変異アレル(Agt-loxP)を持つマウスを戻し交配により、純系のC57BLの遺伝的背景にした。同様に、近位尿細管直部にCre酵素を発現するKAP-Creマウスに関してもC57BL純系を作成した。現在、純系のAgt-loxPマウスと、純系のKAP-Creマウスを交配して、尿細管特異的Agt不活化純系マウスを作製中である。 2.尿細管特異的Agt不活化マウスの表現型解析 同胞間交配を繰り返してほぼ均一な遺伝的背景を有する雄マウスを用いて、表現型の解析を行った。Agt-loxPアレルをホモに持つマウスで、KAP-Creを有するマウスと、KAP-Creを有さないマウスを比較した。 ノーザンブロッティングにより腎臓、肝臓におけるAgtのmRNA発現を検討した。肝臓でのAgt mRNA発現はKAP-Creの有無による影響を受けなかったが、腎臓での発現はKAP-Creを有するマウスで著明に減弱していた。 血中のアンジオテンシノーゲン濃度、血圧、腎組織学的検索では、両マウス間で差を認めなかった。 3.塩分制限下における水分・塩分保持能力の検討 塩分制限下では、尿量が低下し、尿中ナトリウム排泄量も低下する。上記のマウスを用いた検討では、腎臓特異的にAgtが不活化されたマウスであっても十分な塩分保持能力を有していた。 4.尿細管特異的にAgtr1遺伝子が不活化されたマウスの作製および解析 Agtr1-loxPマウスについても戻し交配によりC57BLの遺伝的背景とした。尿細管におけるAgtr1の不活化を免疫組織学手法により確認することを試みたが、困難を極めている。不活化の評価が不十分だが、塩分制限に対する反応は正常マウスと同様であった。
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