2005 Fiscal Year Annual Research Report
非定型抗酸菌を用いたモデルマウスによる川崎病の解明に関する研究
Project/Area Number |
16591062
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 常之 金沢医科大学, 医学部, 助手 (40340004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 淳一 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70367473)
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Keywords | 非定型抗酸菌 / 川崎病 / モデルマウス / ペルオキシレドキシン / 血管炎 / 冠動脈障害 / サイトカイン血症 / 血管内皮 |
Research Abstract |
BCG免疫マウス,免疫確認:平成16年度実績報告書に記載した方法を施行した。 ペルオキシレドキシン2(Prx2)抗体投与マウス:BCGによる免疫を獲得したマウス(7週齢)に対し,Prx2抗体を尾静脈から投与し,B+P+群とする。同時に3つの対照群を作製する。1つはBCGの代わりに生理食塩水を接種し,同様に4週後Prx2抗体を尾静脈から投与したものをB-P+群とする。1つはBCG接種後,4週目に生理食塩水を尾静脈から投与したものをB+P+群とする。さらにもう一つはBCGの代わりに生理食塩水を接種後,4週目にPrx2抗体の代わりに生理食塩水を尾静脈から投与したものをB-P-群とする。 組織学的評価:それぞれの群で作成した心臓組織のHE染色標本を用い、冠動脈炎を観察した。上行大動脈から左室方向に7μm幅の連続切片を作成した。作成した切片から35μm間隔の心臓組織切片を使用し、1切片にて5か所の冠動脈炎を評価した。また切片は1検体に対し、8枚確認した。冠動脈炎の評価には血管壁周囲に炎症性細胞を認める場合を軽度冠動脈炎、一部血管壁内に炎症性細胞を認める場合を中等度冠動脈炎、全ての血管壁内に認める場合を高度冠動脈炎と判定した。 結果: 体重の変化、直腸温の変化:対照群と比較し,有意な変化はなかった。 サイトカインの変化:4回投与群と同様な傾向で、TNFα IFNγともにB+P+がB+P-、B-P+の両群と比較し、有意に上昇している。またMCP1はB+P+,B+P-の両群がB-P+群と比較し、有意に上昇している。その他IL-6、IL-10において差はみられていない。 病理組織学的評価:B+P+群にてmildのみであるが,冠動脈炎の所見を約9.5%の割合で見られた。その他対照群はB-P+群に1カ所(0.5%)認めたのみで,その他冠動脈炎所見はなかった。
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