2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内炎症がヒツジ胎仔の脳血流ならびに脳室周囲白質軟化発症に与える影響の解析
Project/Area Number |
16591072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 直 東北大学, 大学病院, 講師 (50361100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 芳孝 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (40261622)
安井 友春 東北大学, 大学病院, 助手 (30302087)
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Keywords | 胎児循環不全 / 子宮内炎症 / PVL / 脳性麻痺 |
Research Abstract |
今期の実験は東北大学医学部附属動物実験施設にて平成16年11月から平成17年5月までを予定している. 現在,平成17年2月までに7回の実験を実施し,そのうち4回においてデータ解析が可能であった. 失敗した3回の内,2回は点滴回路の破損によるもの,残りの1回は原因不明であった. データ解析が可能であった4例における実験成績は以下のとおりであった. ID 群 性別 負荷 脱血量 体重 脳重 壊死性卵膜炎/臍帯炎 PVL 02 LPS 脱血 38.3% 2.88kg 42g ++ - 03 LPS F 脱血 37.5% 1.94kg 32g + - 05 LPS M 脱血 35.0% 2.16kg 37g ++ - 07 LPS M 脱血 39.5% 2.05kg 31g 未 未 予備実験の結果(平成14年11-12月)に反して,G-CSF+LPSの前処置後に循環血液量の35-40%を脱血したにもかかわらずPVLを誘導できなかった.負荷実験日齢が予備実験より1日遅く(109日),体重,脳重,循環血液量のいずれもが予備実験の胎仔より大きいことから,負荷実験日齢を早めるべき(107-8日)と考えている. また,近赤外線分光法による胎仔脳血液量解析では予備実験と同様に,LPS羊水内注入によって卵膜/臍帯炎が誘導されたと同時に代償性脳血流増加が誘導され,その後の脱血負荷によってこれが破綻する現象が観察された,しかし,予備実験の脱血群に比較してやや弱い変動であった. 本実験による胎生期PVLモデルではPVLを誘導しやすいtime windowが存在する.上記の成績より,負荷実験日齢を妊娠107-8日に早めることが安定した実験成績を得るために重要と考えられた.
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