2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する乳幼児の覚醒反応発達プロセスについての研究
Project/Area Number |
16591079
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 稲子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00305541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸苅 創 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50106233)
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Keywords | 乳幼児突然死症候群 / SIDS / 覚醒反応 / 睡眠 / うつぶせ寝 |
Research Abstract |
【はじめに】 乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome : SIDS)はそれまで健康と思われていた乳幼児が多くは睡眠中に突然死亡する原因不明の疾患である。これまでの覚醒反応についての研究から、SIDS例では皮質での覚醒反応(Cortical Arousal)の出現頻度が低く、皮質下の覚醒反応(Subcortical Activation)の頻度が高いことを明らかにしてきた。本研究においてはSIDSのリスク因子と考えられているうつぶせ寝におけるCortical ArousalとSubcortical Activationの頻度と特徴を解析し、SIDS症例で認められた覚醒反応の発達プロセスの特徴がSIDSの病態とどのように関連しているかを検討した。 【対象と方法】 対象は通常の寝かせ方があおむけ寝の乳児12人と性別、在胎週数、検査時の月齢を一致させたうつぶせ寝の乳児12人で比較検討した。終夜ポリグラフ検査にて、脳波、眼球筋電図、顎下部筋電図、心電図、胸部と腹部の呼吸運動、鼻腔口腔の気流、動脈血酸素飽和度、体動の同時記録を行った。覚醒反応は脳波の変化の有無により皮質下の覚醒反応(Subcortical Activation)と皮質での覚醒反応(Cortical Arousal)に分類した。 【結果】 うつぶせ寝ではあおむけ寝に比較して、Cortical Arousalの頻度は減少していたが、SIDS症例で変化を認めたSubcortical Activationの頻度およびSubcortical Activationに対するCortical Arousalの頻度には変化を認めなかった。 【考察】 これまでに報告したSIDS症例で認められた覚醒反応の特徴は、健康乳児のうつぶせ寝では認められなかった。このことからSIDSの病態には覚醒反応の発達プロセスの異常が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)