2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591081
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
今村 伸一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00176497)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽山 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00349698)
松岡 瑠美子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50120051)
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90120013)
|
Keywords | 動脈管 / 心臓 / DSCAM / Kチャネル / PCR / ブタ / ラット / ウサギ |
Research Abstract |
DSCAM:新生仔ブタ動脈管cDNAライブラリーからDSCAM (Down Syndrome Cell Adhesion Molecule)遺伝子を得るためにスクリーニングを行った。これに加え、ラット、ウサギの新生仔および胎仔の動脈管、大動脈、肺動脈、さらに心臓も含めた臓器からのDSCAM遺伝子の検出を試みた。その結果、このDSCAM遺伝子発現には、発現時期による特性や種差、あるいは組織により発現しているDSCAMの構造に違いがある可能性が示唆された。本来この遺伝子は多様な選択的スプライシングを受ける遺伝子であることから、動脈管を含めた心臓血管系の発達に本遺伝子がどう関わっているのか、詳細に検討することは重要な課題であると考えられた。 Kvチャネル:Kvαサブユニットの中では、Kvα1.5の発現量が肺動脈では極めて高く、やや低いながらも動脈管においても発現がみられた。また、Kvα9.3が分枝肺動脈で高い発現を示したが、動脈管や主肺動脈では低発現であった。Kvβサブユニットの中では、Kvβ1.2が血管系で発現しており、動脈管で高く、主および分枝肺動脈では低かった。Kvβ1.2とKvα1.5の転写産物をアフリカツメガエル卵母細胞に注入し、パッチクランプ法によりカリウム電流を測定したところ、Kvβ1.2がKvα1.5のカリウム電流を強く阻害した。Kvα1.5を上回るKvβ1.2の発現を示す動脈管では、Kvα1.5のカリウム電流はKvβ1.2により強く阻害されると推定される。Kv電流が阻害されれば、血管平滑筋細胞膜の脱分極が進み、カルシウムチャネルが開き、細胞内へ流入するカルシウムが増えるため、最終的に血管の収縮を招くと考えられる。Kvα1.5とKvβ1.2の発現量(比)の違いが、動脈管と肺動脈の酸素濃度の変化に対する逆の反応をもたらしている可能性がある。
|
Research Products
(3 results)