2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトFactorXIIIa陽性樹状細胞を用いた初期カポジ肉腫モデルの確立
Project/Area Number |
16591086
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出口 雅敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50333787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 節也 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80159269)
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Keywords | 真皮樹状細胞 / Factor XIIIa真皮樹状細胞 / カポジ肉腫 / 皮膚線維腫 |
Research Abstract |
本補助金での当初の本年度研究実施計画:ヒト初期カポジ肉腫モデルを確立するためこの早期皮膚病変を再現できる可能性を持ったfactor XIIIa陽性樹状細胞を生体皮膚から分離・培養することが本年度研究計画の主体であった。求めるfactor XIIIa陽性樹状細胞の条件:平成16年度基盤研究研究計画調書で述べたように、初期のカポジ肉腫病変の本質的特徴はfactor XIIIa陽性樹状細胞が非腫瘍性増殖をすることにある。これは間葉系factor XIIIa陽性樹状細胞が存在する可能性を示唆する。ところが、現在まで同細胞は骨髄由来とされ、間葉系由来の同細胞は同定されていない。一方、同じくfactor XIIIa陽性樹状細胞が増殖する病態である皮膚線維腫では同細胞が骨髄系由来のマーカーCD45を発現していない可能性を示す文献報告がある。また、我々の最近の知見も間葉系由来の同細胞の存在を推測させるものだった(Deguchi et al., Am J Pathol,2003)。本年度実施項目:まずヒト皮膚線維腫症例20例につきfactor XIIIa陽性樹状細胞群のCD45発現の有無を分析したところ、全ての検体でこれらの細胞の中にCD45陰性のものがかなりの割合で存在することがわかった。次に実際の生体からこの間葉系由来のfactor XIIIa陽性樹状細胞を分離培養することを試みた。文献的にはヒト皮膚を表皮・真皮に分ち真皮片から骨髄由来と考えられるfactor XIIIa陽性樹状細胞を分離した報告がある。我々は今回表皮片から細胞分離を試み、まず手技的に比較的容易なマウス皮庸で実施したところ単核で大きな胞体に樹状の突起をもつ細胞を分離できた。このものはin vitroでマウス血清のみで活発に増殖・継代することができる。この細胞はfactor XIIIa陽性であった。更にDNA microarrayによる検索を発注した。
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