2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変Cawden病モデルマウスの腫瘍形成過程におけるSTAT3の関与
Project/Area Number |
16591087
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
真鍋 求 秋田大学, 医学部, 教授 (30138309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡 秋田大学, 医学部, 教授 (10311565)
井上 多恵 秋田大学, 医学部, 助手 (10301061)
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Keywords | Cowden病 / Ptenノックアウトマウス / STAT3ノックアウトマウス / 皮膚腫瘍 / 角化細胞 |
Research Abstract |
表皮におけるPTENとSTAT3の生理学的な役割の解析、またその生化学的うらづけを解析することは、皮膚を構成する細胞のシグナリングを考える上においてきわめて興味深いものであろう。これまでPTENの変異はPIP3の増加を介してAktの活性化を起こすと考えられてきたが、これに加えて活性型Stat3の増加を介する系が存在することを示唆する所見が報告された。では、Cowden病モデルマウスにおいて、Stat3はどのようにPTENと応答しながら細胞増殖に関与しているのか、これを解明することが本研究計画の主な課題である。 そこで我々はKeratin5プロモータにCre蛋白を持ちPTEN遺伝子にloxP配列を導入したマウスと、STAT3遺伝子にloxP配列を導入したマウスを交配し、皮膚角化細胞特異的にPtenとSTAT3がいずれもホモ欠損になったダブルノックアウトマウスを作成した。このマウスの生物学的特性を観察し、STAT3あるいはPTEN欠損マウスのそれと比較検討した。その結果、PTEN-Stat3ダブルノックアウトマウスの表現型はPTEN欠損マウスのそれと醜似していた。すなわち、PTEN欠損による表現型はStat3が欠損することにより回復しなかった。この結果は、PTENの下流分子とStat3の下流分子の相互応答を考察する上で興味深い結果であろう。
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