2006 Fiscal Year Annual Research Report
セレクチンを標的とした選択的好酸球浸潤抑制療法の開発
Project/Area Number |
16591091
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 貴浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (30235361)
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Keywords | Eosinophils / Selectin / Endothelial cells / Fucosyltransferase / Skin inflammation |
Research Abstract |
1 ヒト好酸球におけるα(1,3)fucosyltransferase IV,VII (FT-IV,FT-VII) mRNAの発現調節 好酸球のセレクチンリガンド機能を調節する酵素であるFT-IV,FT-VII mRNAの発現調節機構を解析した。 好酸球は無視激状態でFT-IV mRNAの発現が高く、一方FT-VIImRNA発現は低い。そして、TGFβ刺激にてFT-IV,-VII mRNAともに発現が亢進することがわかった。しかしながらFT-IV発現がFT-VIIに比して優位であることにかわりはなかった。またIL-12は発現に影響を与えなかった。 以上のことから好酸球はFT-IVによって主にそのセレクチンリガンド機能調節を受けている可能性が高いことがわかった。またこの結果ゆえにE-セレクチンとの結合が弱くP-セレクチンとの結合が明瞭であると考えられた。 2 ヒト皮膚微小血管内皮細胞におけるPセレクチン発現調節機構の解析 ヒト皮膚微小血管内皮細胞はIL-4やIl-13よって発現が上昇する。興味深いことにTNFαで前処理するとIL-4による効果が増強され、一方IL-4によるPセレクチン発現はTNFαを同時添加すると抑制されることが判明した。前者はTNFαによりIL-4レセプターの発現が増すためと考えられた。 また、今回新たにサブスタンスPにPセレクチン発現誘導作用のあることがわかった。さらにサブスタンスPによるPセレクチン発現は転写因子STAT6の活性化によるものであることを明らかにした。そしてIL-4,サブスタンスPによるPセレクチン発現はSTAT6"おとり核酸"処理によって抑制されることが示された。これらの事実はSTAT6"おとり核酸"はPセレクチン発現抑制効果により好酸球皮膚浸潤を抑制しうる可能性を示している。
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Research Products
(4 results)