2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン誘導制皮膚線維化マウスモデルにおけるコラーゲン合成亢進機構の解明
Project/Area Number |
16591093
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹原 和彦 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50142253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 学 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (90272591)
白崎 文朗 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10313644)
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Keywords | TGF-β / CTGF / b-FGF / 繊維化 / 中和抗体 / コラーゲン |
Research Abstract |
本年度は以下の成果を得た。 (1)新規サイトカイン誘導性皮膚線維化モデルマウスの確立 我々は過去にCTGFとTGF-βの組み合せによるサイトカイン誘導性皮膚線維化モデルマウスを確立したが,今回,b-FGFとCTGFの組み合せによるサイトカイン誘導性皮膚線化モデルマウスを確立した。いずれのモデスマウスにおいても,CTGFは線維化の維持において主要な役割を担っていることが明らかにされた。 (2)in vitroにおけるTGF-β,CTGFの相乗作用について プロコラーゲン遺伝子発現をRT-PCRで定量化したところ,CTGF単独では全く作用を示さなかったが,TGF-βでの発現増強(1.5倍)は,CTGFを同時に添加することによって更に増強される(2倍)ことが明らかにされた。 更に,CTGFのプロコラーゲン遺伝子の発現増強作用は正常ヒト皮膚由来線維芽細胞においてはc-Myc遺伝子の発現低下を介するものであることが確認された。これに対して,全身性強皮症病変部由来線維芽細胞においては,CTGF添加により逆にc-Myc遺伝子の発現増強がみられたことにより,CTGFは全身性強皮症病変部由来線維芽細胞の分化と増殖の両者を増強することにより病変形成に関与していることが推察された。 (3)DNA免疫法による抗CTGFモノクロナル抗体の作成 抗ヒトCTGFモノクロナル抗体を,CTGFのmodule1〜4それぞれに対して作成し,強力な中和活性を確認し得た。更にこれらの抗体を用いてTGF-β,CTGF連続投与のサイトカイン誘導性モデルマウスに投与したところ,皮膚線維化の抑制がみられた。 今後はこれらの抗体をヒト型化し,臨床利用可能とすべく,よく中和活性の高いものにスクリーニングしていく予定である。
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