2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚病巣部の発現変動遺伝子情報に基づいたアトピー性皮膚炎の原因遺伝子の解析研究
Project/Area Number |
16591096
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
杉浦 久嗣 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00162868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90090430)
山本 和雄 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10314163)
植西 敏浩 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80242981)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 遺伝子解析 / マイクロアレイ / 発現変動遺伝子 |
Research Abstract |
【目的】アトピー性皮膚炎の候補遺伝子座に存在し、更にケラチノサイトにも発現する分子を中心に遺伝子多形の解析を行いアトピー性皮膚炎の遺伝的要因の解明を試みた。【方法】健常人86名、アトピー性皮膚炎128名の末梢血液DNAをPCRダイレクトシークエンス法により、塩基配列の解析を行った。SERPINB8(Serpin peptidase inhibitor, clade B, member 8)の遺伝子解析では、RFLP(制限酵素断片多形)法も行った。【結果】SERPINB8,CP-2,NDST-1,Gli-1,TRK-A,MGLL,MCM2の7遺伝子に関して、アトピー性皮膚炎20検体、健常コントロール20検体をデータベース上で確認されているSNPに関してスクリーニングした。SERPINB8以外の6遺伝子では、コントロールと比較して有意な差は、見られなかった。SERPINB8の多形(G203A,R68Q)では、アトピー性皮膚炎と健常コントロールの間に差がみられたため、RFLP(制限酵素断片多形)法により多数の解析を行い合計214検体の解析を行った。203Gの遺伝子頻度はコントロールが0.177、アトピー性皮膚炎で0.285、G/Gのホモが、コントロールは0.052、アトピー性皮膚炎で0.093と頻度に有意差があった。【考察】SERPINB8は、セリンプロテアーゼ阻害作用があり、分化したケラチノサイトに強く発現していることが報告されている。生理的役割は、いまだ不明であるが、基底層の細胞には存在せず分化した細胞に分布することよりケラチノサイトの最終分化過程に関与していることが予想される。さらに、SERPINB8は18q21に存在し、この遺伝子座は、アトピー性皮膚炎の感受性遺伝子座として報告されている。この遺伝子多形は、アミノ酸置換を伴う変異である。これらより、SERPINB8の遺伝子多形による同分子の機能異常がケラチノサイトの最終分化過程に影響しアトピー性皮膚炎に関与している可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)