2006 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚血管成熟におけるスフィンゴシン1リン酸のVEGFとの相互作用と乾癬への関与
Project/Area Number |
16591101
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
窪田 泰夫 香川大学, 医学部, 教授 (10126047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 淳介 香川大学, 医学部, 助教授 (20346638)
小坂 博昭 香川大学, 医学部, 教授 (60158897)
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Keywords | アポトーシス / 血小板 / 脂質 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
今回我々は、血小板由来生理活性脂質で血管新生促進作用を持つスフィンゴシン1リン酸(以下S1P)の血管内皮細胞のアポトーシス制御機構について研究した。ウシ大動脈血管内皮細胞(以下BAEC)を、10%ウシ血清添加DMEM培地で37℃、5%CO_2存在下で4日間培養し、一晩血清なしのDMEM培地で培養した後、実験に供した。細胞死の誘導因子には、過酸化水素を使用した。 ELISA法DNA断片化の定量では、750μMの過酸化水素添加後6時間で最も断片化が増加した。さらに、過酸化水素添加の30分前にS1Pで前処理したところ、S1Pの濃度依存的にDNAの断片化は減少し、10-6Mで優位に減少した。TUNEL法を使用したアポトーシス細胞数の測定では、750μMのH_2O_2添加後4時間で陽性細胞率は未処理群に対し2倍に増加したが、S1Pによる前処置で半分に減少した。以上の結果から、過酸化水素によるBAECの細胞死は、S1Pによって抑制されることが推測された。 アポトーシスに中心的な役割を担うタンパク質であるcaspase-3の活性型に特異的な抗体を用いて、western blot法を行った。その結果、750μM過酸化水素6時間の存在下でコントロールに対し2倍に増加したが、1μMのS1Pによる30分の前処置で半分に減少した。このことより、細胞外由来のS1Pはcaspase-3の活性化を抑制し、細胞死を制御していると推測された。
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