2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性アレルギー皮膚疾患における免疫調節機構の解明と免疫療法の開発研究
Project/Area Number |
16591108
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
池沢 善郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90046128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 道子 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90231753)
高橋 一夫 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40264618)
猪又 直子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20347313)
中澤 正年 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20217699)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / ADの自然発症モデルマウスNC / Nga / ADの自然発症モデルマウスDs-Nh / CpGモチーフ / Cyclophosphamide(Cy) / IFN-γ / IL-13 / CD25+CD4+調節T細胞 |
Research Abstract |
1)アトピー性皮膚炎(AD)はほかのアトピー疾患同様にTh2優位の状態が病態形成の背景になっているとされているが、まだ完全には解明されていない。本研究では、第1に、ADの自然発症モデルマウスNC/Ngaを使用し、皮疹発症の有無により脾細胞とリンパ節細胞におけるTh1/Th2 cytokineの産生能を比較検討した。その結果、自然発症群で血清IgE値の上昇とTh2 cytokine(IL-4/IL-5/IL-13)の産生亢進だけでなくTh1 cytokine(IFN-γ/IL-12)の産生亢進も認められ、皮疹発症にTh1の関与も示唆された。第2に、同マウスにCpGモチーフの反復投与し、皮疹発症とcytokine産生に対する効果を検討した。その結果、CpG投与群では皮疹発症率が38.5%と無処置群の72.5%に比て低下し、それに一致してTh1 cytokineの産生亢進とTh2 cytokineの産生抑制が認められ、CpGモチーフによるAD治療の可能性が示唆された。しかし、CpG投与によりむしろ皮疹が顕著に悪化した群も存在し、この悪化群ではTh2 cytokineの産生抑制と共にTh1 cytokineであるIFN-γの顕著な産生亢進が認められ、AD様皮疹の悪化にIFN-γ産生亢進の関与の可能性が示唆された。 2)CD25+CD4+調節T細胞が自己免疫疾患の発症抑制に中心的な役割を果たしていることはよく知られているが、アレルギー疾患の発症抑制における役割は未だ不明な点が多い。本研究では、第1に、Cyclophosphamide(Cy)投与3日後のBalb/cマウス由来CD25+CD4+調節T細胞はCy非投与群に比べて数・比率・機能の低下を明らかにし、その低下時のTNCB感作による接触過敏反応の増強がCy非投与マウス由来のCD25+CD4+調節T細胞を感作時に移入することで抑制された。第2に、もう一つの自然発症モデルマウスDs-NhのCy投与群ではCy非投与群に比較してTNCB感作によるAD様皮疹の早期発症・増悪と黄色ブ菌数の増加がさらに顕著に亢進し、ConA或いは黄色ブ菌の産生外毒素SEBによるリンパ飾細胞の刺激培養においてIL-13とIFN-γの産生上昇が認められた。第3に、このAD様皮疹の顕著な悪化がTNCB感作時にCD25+CD4+調節T細胞を移入することで抑制され、刺激培養でIL-13とIFN-γの産生も低下していたことから、AD様皮疹の悪化にCD25+CD4+調節T細胞の関与が示唆された。
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Research Products
(6 results)