2005 Fiscal Year Annual Research Report
難治性アレルギー皮膚疾患における免疫調節機構の解明と免疫療法の開発研究
Project/Area Number |
16591108
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
池沢 善郎 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90046128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲原 毅 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70347293)
猪又 直子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20347313)
竹下 芳裕 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (80381507)
中澤 正年 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20217699)
|
Keywords | アトピー性皮膚炎の動物モデル / Cyclophosphamide / 環境ホルモントリブチルスズ / 調節T細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
1)C57BL/6マウスを用いて0.5%DNFB接触感作10日前に0.1%DNFB300μlを経口投与することにより、その1週間後に0.25%DNFB4μlを耳翼に塗布して誘導されたDNFB接触過敏症としての耳翼腫脹とその1週間後に実施されたDNFB特異的T細胞増殖反応が顕著に抑制されたので、この経口投与前と接触感作前のCy処理によりこの経口トレランスに対する効果を検討すると、いずれの場合もCy処理により耳翼腫脹とDNFB特異的T細胞増殖反応の明らかな回復が見られ、経口トレランスの誘導と発現にCy感受性細胞(CD4+CD25+調節T細胞?)の関与が示唆された。現在、Cy無処理とCy処理のマウスから採取分離されたCD4+CD25+調節T細胞におけるfoxp3の発現を検討するで、経口トレランスにおいてCy感受性CD4+CD25+調節T細胞が果たす役割の研究が進行中である。 2)CD4+CD25+調節T細胞やNKT等の比率を有意に低下させる環境ホルモンのトリブチル錫(TBT)の経腸管的曝露は、ADのモデルマウスDs-NhのTNCB接触感作に伴うAD様病変の早期発症を促進し、さらに所属リンパ節細胞のSEB刺激培養によるサイトカイン産生プロフイルを解析すると、Th1依存性のIFNγ産生を抑えたが、Th2依存性のIL-4/IL-5/IL-13産生を高めたことから、TBTの経腸管的曝露がこのようなTh2依存性サイトカインの産生を促してADの発症・悪化・遷延化を促進することが示された。 3)このTBTの経腸管的曝露は、卵白アルブミン(OVA)の経口投与により低下したOVA特異的T細胞増殖反応とTh2依存性OVA特異的IgG1抗体価の血清値を上昇させ、同様に低下した脾臓細胞のIL-4産生を上昇させたことから、Th1依存性免疫応答よりTh2依存性免疫応答の経口トレランス誘導の方がTBTの経腸管的曝露で障害され易いことが示唆された。
|
Research Products
(6 results)