2004 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性IgE受容体発現樹状細胞によるアトピー疾患の抗原特異的免疫寛容誘導療法
Project/Area Number |
16591110
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 則人 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (30244578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 英一郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40360036)
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Keywords | 制御性T細胞 / 制御性樹状細胞 / トレランス |
Research Abstract |
1.マウスのハプテンによる接触過敏反応の自然軽快現象における樹状細胞とCD4陽性CD25陽性細胞の役割について検討した。その結果、ハプテン塗布による接触過敏反応の感作相あるいは惹起相で表皮の樹状細胞であるランゲルハンス細胞と表皮角化細胞はCD4陽性細胞の遊走因子であるIL-16を産生し、抗IL-16抗体の投与によって接触過敏反応の自然軽快現象が抑制された。これは活性化したランゲルハンス細胞が産生するIL-16が、CD4陽性の制御性T細胞を過敏反応局所に遊走させて反応を軽快させる方向に制御する役割を有することを示唆しており、この機構を利用したアレルギー反応の新しい制御法の開発につながることが期待される。 2.新しい制御性樹状細胞の誘導法の開発を目的として、アレルギー炎症のメディエーターであるヒスタミンとセロトニンがヒト単球の寿命や樹状細胞への分化と成熟におよぼす影響について検討した。その結果これらのメディエーターは、単球のグルココルチコイドやFas-FasLを介したアポトーシスを抑制することによって寿命を延長させること、また抗原提示能の弱い未熟な樹状細胞への分化を誘導すること、これらの現象には2型ヒスタミン受容体や1型セロトニン受容体が関与していることが明らかとなった。これらのメディエーターによって寿命を延長した未熟樹状細胞はIL-10を産生することから、抗原特異的な制御性T細胞の誘導に利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(12 results)