2006 Fiscal Year Annual Research Report
非定型抗精神病薬による統合失調症のワーキングメモリー及び社会機能改善のメカニズム
Project/Area Number |
16591126
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
住吉 太幹 富山大学, 附属病院, 講師 (80286062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 三枝 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (70209485)
川崎 康弘 富山大学, 附属病院, 講師 (80242519)
田仲 耕大 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (80377275)
倉知 正佳 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (80019603)
|
Keywords | 非定型抗精神病薬 / 統合失調症 / 認知機能 / 不飽和脂肪酸 / クオリティー・オブ・ライフ / 言語記憶 / 事象関連電位 / 脳機能画像 |
Research Abstract |
1.非定型抗精神病薬オランザピンによる治療を受けた統合失調症患者における事象関連電位P300成分の変化を、Low Resolution Electromagnetic Tomography(LORETA)法を用いて脳画像的に解析した。その結果、健常者に認めるような側頭葉におけるP300発生源電流密度の左>右の側性が、オランザピン投与前には認められなかったのが、治療後には明らかとなった。また、これらの患者において、Japan Verbal Learning Test(言語学習記憶)、Quality of Life Scale(生活の質)および精神病症状を表す各評価スコアが治療後に改善した。以上の結果は、非定型抗精神病薬による統合失調症患者における記憶機能の改善に、電気生理学的神経活動の解剖学的パターンの変化が関与していることを初めて示すものである。 2.脳における神経細胞膜の必須不飽和脂肪酸(essential polyunsaturated fatty acid ; EPUFAs)の構成を反映するマーカーとされる、赤血球膜中のEPUFAs濃度を統合失調症患者と健常対照者間で比較し、認知機能との相関を検討した。その結果、統合失調症患者において、EPUFAs濃度の低下が認められ、その程度は社会認知機能を反映するスクリプト課題の成績と負の相関を示した。 3.第25回国際神経精神薬理学会議(米国、シカゴ)において、シンポジウム"Neurocognition in Schizophrenia : Medication Effects and Biological Markers"の企画・司会を行った。また、同シンポジウムで講演を行い、上記の研究成果を発信した。
|
Research Products
(5 results)