2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591128
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
塩江 邦彦 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 講師 (90215939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雅己 山梨大学, 保健管理センター, 助教授 (80228808)
篠原 学 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (30273048)
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Keywords | 気分障害 / 双極性障害 / 遺伝子多型 / 一塩基多型 / 関連研究 / 多型解析 |
Research Abstract |
双極性障害の疾患感受性遺伝子の解明を目的として、21q22および22ql2にマッピングされている候補遺伝子について多型解析を引き続き行った。脳に多く発現する新しいタイプのカルシウムチャネルTRPM2(transient receptor potential melastatin2)は機能的、位置的に最も有力な候補遺伝子であると考えている。最近、双極性障害患者由来のBリンパ芽球細胞株の一群でそのmRNA量の有意な低下が報告されたことから、まず、この遺伝子の転写調節領域の解析を精密かつ徹底的に進めた。5'RACE法により新たに発見したTRPM2の第1エキソン周辺から欠失と挿入を伴う多型を同定した。次に、TRPM2はゲノム上約90kbにわたる32個のエキソンからなる遺伝子で1503アミノ酸残基よりなるが、このエキソンを中心にエキソン・イントロン境界領域を含んだ部位について、SSCP(single strand conformation polymorphism)法とdirect sequencing法により変異スクリーニングを行った。その結果、アミノ酸の変化をともなうミスセンス多型を含んだ一塩基多型を20以上同定した。同遺伝子のプロモーター領域およびエキソン・イントロン領域の多型について、日本人双極性障害患者群(96名)と健常対照群(210名)において関連解析を行ったが、有意な結果は認められなかった。 双極性障害では細胞内カルシウム動員の機能異常が病態整理として想定されており、大脳に発現するTRPM2については有力な候補遺伝子として、今後も検討を継続する予定である。
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Research Products
(5 results)