2005 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリンエステラーゼ注入による脳内変化の研究
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16591150
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
田子 久夫 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (40171681)
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Keywords | アセチルコリンエステラーゼ / アルツハイマー病 / 塩酸ドネペジル / 大脳皮質 / 海馬 / ウィスター系ラット / アミロイドβ蛋白 / 老人斑 |
Research Abstract |
2年目は1年目に引き続き、至適条件を調べ、発現した病理学的変化について検討した。1年目と同様、ウイスター系ラットの大脳皮質にelectric eelから抽出されたacetylcholinesterase(AChE : EC3.1.1.7)を注入し、一定の生存期間をおき、その後脳を固定して凍結切片を作成し、AChE組織化学技法で染色した。 凍結乾燥されたAChEを生理食塩水を用いタンパク量計算で1%と5%に溶解し、深麻酔下でマイクロシリンジを用い、ラット脳内(大脳皮質右側頭葉、右海馬、右視床内側核)に1.0μlを30分間で注入した。注入後は、14日、28日、84日の生存期間をおいた。期間終了後の脳の取り出しは、ラットを深麻酔下で開胸の上潅流固定し、摘出後も浸漬固定した。4%パラホルムアルデヒド(PFA)と0.5%グルタールアルデヒド(GLU)を潅流固定液として用い、4%PFAで浸漬後固定液として用いた。固定した脳は、炭酸ガス凍結でクリオスタット切片にし、浮遊切片として用いた。染色の浸透性と均一性を向上させるため浮遊切片のまま、条件を一定に保つため組織化学反応はシェイカー上で行った。反応液は我々がかつて報告した方法(Tago method)を応用し、特異的抑制剤にはBW284C51を用いた。対照染色法として、Cresyl VioletによるNissl染色を行った。 その結果、注入後7日目までは1年目と同様一部組織の欠損像が認められても、AChE陽性所見はなく組織学的な酵素活性は消失していた。14日、28日後は5%群に一部変性部が認められたが著明な変化は見られなかった。 サイオフラビンSで染色し蛍光顕微鏡下で観察したが、アミロイド蛋白などの所見は認められなかった。 現在までの条件では有意な変化は認められなかったが、AChEが慢性に浸出する状況が推測されるため、今後は浸透圧ポンプを用いた持続注入の実験でさらに確認する予定である。
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