2005 Fiscal Year Annual Research Report
成人のAD/HDとアスペルガー障害の認知行動特性の研究と診断用質問紙の作成
Project/Area Number |
16591151
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡野 高明 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (70285039)
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Keywords | 成人型AD / HD(注意欠陥多動性障害) / 成人アスペルガー障害 / チェックリスト / 社会的不適応 / 対人関係障害 |
Research Abstract |
成人における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)やアスペルガー障害(AS)は、近年、精神医学において重要な意味を持つことが次第に明らかになってきた。しかし、これらの軽度発達障害は、従来、子ども特有だと考えられてきたために、十分に検討されてこなかった。また、成人型のAD/HDやASは、子どもと成人とでは大きく表現型を変えるため、診断や鑑別が困難である。この研究では、Adult AD/HDとAdult ASとをピックアップし、さらに鑑別診断できるようなチェックリストを作成し、実用に供することを目的とした。 研究は、最初に、従来から指摘されているAD/HD及びASの行動特性に加えて、臨床的に重要と考えられた行動特性・認知特性を踏まえて、AD/HDで35項目、ASでは65項目の質問紙を作成し、健常対照群および患者群に施行し、統計解析を行い、AD/HD用(I)、AS用(II)、それぞれ20項目で2部からなっている質問紙(行動特性チェックリスト)を作成した。 こうして作成した質問紙(行動特性チェックリストI・II)を、従来から使用されているAD/HDチェックリストとともに、患者群と対照群とに施行した。成人ASに対するチェックリストは、まだ一般的だと考えられるものがないので、比較は十分できないため、今回は使用しなかった。 現在、患者群70名、対照群140名から回答が得られているが、現時点では予定数まで達していないため、追加調査を行っている。
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