2006 Fiscal Year Annual Research Report
衝動性と脂質代謝、免疫能。摂食障害と若年うつ病、社会不安障害患者の比較
Project/Area Number |
16591153
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永田 利彦 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 淮教授 (80237528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池谷 俊哉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80295708)
|
Keywords | Bulimia nervosa / Adiponectin / Leptin / Anxiety / Psycho-neuro-immunology |
Research Abstract |
<はじめに>脂肪組織から生理活性のあるペプチドが分泌されており、それらはアディポサイトカインと呼ばれ、アディポネクチン、レプチン、レジスチンなどがその代表的なものである。摂食障害患者でのアディポサイトカインの変化が報告されているが、いまだ一定した見解は得られていない。今回我々は、神経性過食症過食排出型患者の血清アディポサイトカインを測定し、背景要因との関連を調査した。結果について若干の考察を加え、報告する。 <対象と方法>対象は、対象は大阪市立大学医学部附属病院神経精神科を受診した神経性過食症排出型(以下BN)10例と健常対照者7名である。全対象者は女性で、診断にはDSM-IVを用いた。対象者には研究の趣旨をよく説明し、文書で同意を得た上で、血液を採取し、ELISA法を用いて、レプチン、レプチン可溶性受容体、アディポネクチン、レジスチンなどを測定した。また全例にEDI、BDI、STAIなどの自記記入式質問紙を施行した。なお本研究は大阪市立大学医学部倫理委員会の承認を得て行われた。 <結果>レジスチンはBN群が健常対照群に比して有意に低値を示した。アディポネクチン、レプチンは両群間に有意差を認めなかった。レプチンとレジスチンはBMIと有意に正の相関を示し、レジスチンは過食の頻度とSTAI-traitと有意に負の相関を示した。 <考察>本研究の結果では、レジスチンがBN群では有意に低下しており、過食頻度と不安のスケールに有意に負の相関を示した。BN患者でのレジスチン値についての過去の報告は少なく、BMIについても相関の有無は様々である。不安との関連についての報告は過去にはない。アディポサイトカインの役割は未だ不明ではあるが、免疫とストレスとの関連は示唆されており、本研究の結果より精神心理学的状態像の影響の可能性が示唆された。
|
Research Products
(7 results)