2007 Fiscal Year Annual Research Report
衝動性と脂質代謝、免疫能。摂食障害と若年うつ病、社会不安障害患者の比較
Project/Area Number |
16591153
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
永田 利彦 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (80237528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 寿人 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20254394)
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Keywords | Bulimia nervosa / Psycho-neuro-immunology |
Research Abstract |
<はじめに>神経性過食症患者の免疫学的機能障害が、単に過食や自己誘発性嘔吐など食行動異常だけによるものではなく、抑うつや不安といった精神心理学的状態像との関連がこれまでの我々の研究結果から示唆されている。しかしこれまでは横断的な研究であり、縦断的な研究は他でも数少ない。そこで、今回、我々は、神経性過食症過食排出型患者の治療前後でリンパ球幼弱化反応などを測定した。 <対象と方法>対象は、大阪市立大学医学部附属病院神経精神科を受診し、入院治療を受けた神経性過食症過食排出型(以下BN)8例と外来加療で改善した2例である。全対象者は女性で、診断にはDSM-IVを用いた。対象者には研究の趣旨をよく説明し、文書で同意を得た上で、治療前後で血液を採取し、白血球数、CD4/CD8比、リンパ球幼弱化反応などを測定し、一部はストックした。また全例にEDI、BDI、STAIなどの自記記入式質問紙を施行した。なお本研究は大阪市立大学医学部倫理委員会の承認を得ている。 <結果>対象患者の平均年齢は21.3歳であった。治療前の過食回数は8.6回/週であり、治療後は0.3回/日で有意に低下した。治療前後のCD4/CD8比は低下傾向にあり、リンパ球幼弱化反応のStimulation Indexは有意に上昇を認めた。 <考察>治療後にリンパ球幼弱化反応は有意に上昇しており、免疫機能は有意に改善していた。一方、過食頻度、精神症状ともに改善していた。しかし、少数例のため、免疫学的改善とそれらの得点の改善の間に有意な相関は認められなかった。
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Research Products
(8 results)