2004 Fiscal Year Annual Research Report
強迫性障害患者におけるセロトニン・ドーパミン関連蛋白多型に関する遺伝子学的検討
Project/Area Number |
16591154
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松永 寿人 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20254394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 徳造 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90305623)
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Keywords | 強迫性障害 / 衝動制御障害 / セロトニン / ドーパミン / 人格障害 / COMT / DRD4 / セロトニントランスポーター |
Research Abstract |
平成16年度化学研究費補助金を用いて、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder ; OCD)の多様性に関し、セロトニン・ドーパミン関連蛋白の多型に関する遺伝学的検討の予備的研究を多角的に行った。今年度は特に衝動性に注目し、臨床的に有意性を持つ衝動性の指標には、DSM-IVのimpulsive control disorders(borderlineやantisocial Personality Disorderを含む)のcomorbidity、及び衝動性の定義を満たす自傷行為や衝動買い歴などを用いた。群分けには、高度の信頼性を確保する為に、自記式質問紙をスクリーニングに開発し、面接法による診断を併行した。これにより、OCD患者153例中45例(29%)が「高度の衝動性を有する群」に該当、この群では、若年発症、洞察不良やうつ病の既往が有意に高率であり、更には予後不良が有意であるなど、差異的臨床像を認めた。この結果は、衝動性を有する一群の特異性、すなわち亜型を構成する可能性を支持するものであり、また従来の衝動性と強迫性とを線上対局軸に捉える定説に疑問を投じるものとなり、2005年Comprehensive Psychiatry誌第46巻43-49頁に報告した。これらの結果を、生物学的指標を用いより客観的に裏付けする目的で、セロトニントランスポーター、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)、ドーパミンD4受容体(DRD4)を対象とした遺伝子研究も併行し、現在解析中である。例えば衝動性を有する群の一部では、COMTやDRD4などドーパミンに関連した対立遺伝子多型の特徴を認める。更にはこの様な治療抵抗的患者群に対し、非定型抗精神病薬を中心としたSSRIとの併用薬物療法を積極的に行い、その結果も学会にて報告し、一部英文にて投稿中である。
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Research Products
(7 results)