2004 Fiscal Year Annual Research Report
健常老人の画像追跡によるアルツハイマー型痴呆の発症前予徴の早期発見;第12次研究
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16591164
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
笠原 洋勇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60056950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 達郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10287261)
橋爪 敏彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10317985)
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Keywords | MRI / BVRT / Enhanced cued recall / rating scale / aging / brain atrophy |
Research Abstract |
2004年度は2001年度に初回調査を行った被験者の二次調査年になり92名の調査を行った。2002年度からの二次調査分を入れて計248名の2次調査を終えた。そのうちデータ処理が済んだ237名の解析結果を示した。健常老人3年間の脳機能と形態変化については69歳以下の変化は乏しく、70歳以上になって始まってくることが明らかになってきた。 一次調査のMRI所見と年齢・成績変化との相関では、小脳・側頭葉・皮質・頭頂葉の萎縮と側脳室・シルビウス裂・第3脳室の拡大が加齢と有意な相関を示した。小脳・側頭葉・頭頂葉の萎縮がベントンテストの成績と有意な相関があり、橋の萎縮と橋のT2HSIがECRと有意な関係となった。 二次調査のMRI所見では小脳の萎縮と側頭葉のT2HSIでベントンテストとの有意な相関がみられ、側頭葉・皮質・脳梁の萎縮がECRと有意な関係がみられた。また基底核のT2HSIとT1+T2が流暢さテストと有意な関係がみられた。側脳室の拡大、シルビウス裂の拡大および第3脳室の拡大の項目は年齢との有意な関係があり加齢によりそれぞれの拡大程度が増大していくことが明らかであるが3年間の成績変化とは関連がみられなかった。 一次MRI所見では小脳の萎縮、側頭葉の萎縮および頭頂葉の萎縮の脳萎縮に関する項目が成績変化と有意な関係を示し、二次MRI所見では小脳の萎縮、側頭葉の萎縮、皮質の萎縮および脳梁の萎縮の項目でテストの成績変化との有意な関係を示した。この結果小脳、側頭葉と頭頂葉の萎縮が将来の認知機能低下を示唆する指標と現段階では言うことができる。また全体の皮質の萎縮と脳梁の萎縮は過去の認知機能の低下の結果として捉えることができる。認知テストについては今後さらに高齢化した時点の成績が加わる3次調査の結果が意味あるものになってくると思われる。
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Research Products
(1 results)