2005 Fiscal Year Annual Research Report
健常老人の画像追跡によるアルツハイマー型痴呆の発症前予徴の早期発見;第12次研究
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16591164
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Research Institution | THE JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
笠原 洋勇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60056950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 達郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10287261)
橋爪 敏彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10317985)
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Keywords | MRI / BVRT / Enhanced cued recall / rating scale / brain atrophy |
Research Abstract |
1999年から調査を開始し当初は年間100名、2002年度より年80名の調査を継続して行っている。1次調査で306名、2次調査で243名、3次調査は102名ののべ651名の調査を終えることができた。 初回調査時に69歳以下のグループと70歳以上のグループに分けて各認知テストの加齢に伴う経年変化を調べた結果を解析した。ベントン視覚記銘力検査で、69歳以下のグループでは正確数、誤謬数ともに変化は少なく安定した経過を示しているが、70歳以上のグループでは誤謬数の増加がみられた。 ECR (Enhanced Cued Recall)の自由再生の結果は69歳以下では安定しやや得点の上昇もみられるが、70歳以上では年次にともない低下していた。ECRの再生総数ではいずれも軽度の低下のみであった。 MRI上の判定結果ではT_2HSI(T_2 high signal intensity)は特に基底核に高い出現率がみられ、次に側頭葉での出現が認められた。 また‘側脳室の拡大'‘第3脳室の拡大'‘側頭葉の萎縮'は加齢に伴う増加傾向がはっきり認められた項目であり、健常老人でも経年により脳室系の拡大と側頭葉の萎縮が一定の割合で増えて行くことが示された。‘小脳の萎縮'‘橋の萎縮'の項目は加齢による進行は認めなかった。脳梁については高齢の集団で経年による萎縮の進行が認められた。 この調査中の初回参加者のうち6名が死亡、4名が痴呆発症(内ピック病1例)、脳梗塞を罹患したなど身体面の問題で18名の継続参加が困難となっている。
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Research Products
(8 results)