2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体内分子イメージングによるサル薬物依存の脳内異常可塑性の分子機構の解明
Project/Area Number |
16591178
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
大林 茂 独立行政法人放射線医学総合研究所, 脳機能イメージング研究開発推進室, 主任研究員 (90318246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須原 哲也 独立行政法人放射線医学総合研究所, 脳機能イメージング研究開発推進室, 室長 (90216490)
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Keywords | ポジトロンCT(PET) / マカク属サル / 薬物依存 / 可塑性 / ドーパミン / マイクロダイアリシス法 |
Research Abstract |
多元的(脳の器質的・機能的あるいは心理的・社会的)要因により統合失調症などの精神疾患を引き起こし社会適応が困難になる。精神病は「学習・記憶の病気」という見方もできる。状況・文脈に合致しない条件付けや過去の記憶の異常想起として妄想、幻覚が繰り返し現れるといったremodelingと考えられるからである。コカインや覚醒剤、麻薬といった薬物中毒は精神依存、幻覚・妄想、逆耐性や履歴現象といった経験と記憶の特殊な関係の現象を惹起する。サルでも薬物依存形成されるメカニズムはヒトと共通であろうと推定されているためサル・ヒト間の依存形成に伴う異常可塑性を比較することは重要である。本研究では精神疾患をもたらす異常可塑性の生体内分子機構を理解するため、サル精神疾患モデルを用いてPETと侵襲的手法(マイクロダイアリシスとの同時計測や慢性単一神経活動ユニット記録)とを相補的に研究展開する。慢性覚せい剤投与による逆耐性モデル形成過程において、経時的に脳内変化をマイクロダイアリシス法により分子レベル(神経伝達物質)での変化定量とともに全脳レベルでの変化を[15O]水および[^<11>C]標識各種トレーサーを用いた経時的PET受容体研究(DA受容体密度D1受容体密度はSCH23390、D2受容体密度はFLB457)を推進し生体内での逆耐性の脳内神経機構を解明するための研究を進行中である。行動解析として投与前後のビデオ撮影、生理モニター、さらに薬物投与直前に刺激手がかりを提示することでコンテクスト依存性薬物依存サルモデルを形成中である。上記モニターでは投与前後で明らかに鋭敏に変化を示し新たな行動評価系として利用できる可能性がある。経時的に[15O]水を用いて視覚刺激による局所脳血流の変化を通してcueだけで誘発される該当薬物へのcravingに関連する脳内活性部位同定を目指す。投与前後での側坐核での細胞外ドーパミン濃度は増加ピークが投与1回目に3倍、2回目で7倍と増感傾向にあることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Novel peripheral benzodiazepine receptor ligand [^<11>C]DAA1106 for PET : an imaging tool for glial cells in brain.2004
Author(s)
Maeda J., Suhara T., Zhang M.-R., Okauchi T., Yasuno F., Ikoma Y., Inagi M., Nagai Y., Takano A., Obayashi S., Suzuki K.
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Journal Title
Synapse 52
Pages: 283-291
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[Journal Article] Development of a new radioligand, N-(5-Fluoro-2-phenoxyphenyl)-N-(2-[^<18>F]fluoroethyl-5-methoxybenzyl)acetamide, for PET imaging of peripheral benzodiazepine receptor primate brain.2004
Author(s)
Zhang M.-R., Maeda J., Ogawa M., Noguchi J., Ito T., Yoshida Y., Okauchi T., Obayashi S., Suhara T., Suzuki K.
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Journal Title
J Med.Chem. 47,2004
Pages: 2228-2235
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[Journal Article] In vivo PET measurements with [^<11>C]PE2I to evaluate fetal mesencephalic transplantations to unilateral 6-OHDA-lesioned rats.
Author(s)
Inaji M., Yoshizaki T., Okauchi T., Maeda J., Nagai Y., Okano H., Nariai T., OhnO K., Ando K., ^*Obayashi S., Suhara T.
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Journal Title
Cell Transplantation in press