2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 長良 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (30171888)
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
西嶋 剣一 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (60364254)
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Keywords | 血管新生 / 血管新生因子 / チミジンフォスフォリラーゼ / 核医学診断薬剤 / PET / [^<11>C]phosgene / 腫瘍 / イメージング剤 |
Research Abstract |
【目的】Thymidine Phosphorylase (TP)は、thymidineからthymineとα-D-2-deoxyribose-1-phophateへ可逆的に加リン酸分解を触媒する酵素であり、正常組織に比べ様々な固形腫瘍において高レベルで発現し、抗癌剤である5-FUの活性化にも関与する。近年、TPは、血管新生因子である血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)と同一タンパク質であること、さらにその酵素活性は、腫瘍の血管新生、浸潤、転移と関連があることが明らかになった。我々は放射性核種を用い、TPの発現すなわち腫瘍における血管新生をin vivoで選択的にイメージングできる放射性薬剤の開発を計画した。PET用^<11>C標識TP阻害剤として[^<11>C]5-halo-6-[2-(oxoimidazolidinyl)methyl]uracil([^<11>C]HOMU)を設計し、合成法の検討を行うこととした。また、得られたHOMUのTPに対する阻害活性を測定し、[^<11>C]HOMUのTP核医学イメージング剤としての有用性を基礎的に検討することとした。 【結果】HOMUは6-{[2-(aminoethyl)amino]methyl}-5-halouracilを前駆体とし、triphosgeneと環化反応をさせることにより、高収率で合成できた。また、HOMUのTPに対する阻害活性は代表的なTP阻害剤である6A5CUと同等であることが示された。 放射性標識PET用薬剤[^<11>C]5-bromo-6-[2-(oxoimidazolidinyl)methyl]uracil([^<11>C]BOMU)は6-{[2-(aminoethyl)-amino]methyl}-5-bromouracilと[^<11>C]phosgeneとの反応により高収量で合成できた。 得られた【[^<11>C]BOMUは動物を用いた予備的実験に於いて、TPを過剰に発現する腫瘍組織に顕著に集積することも示され、核医学イメージング剤としての有用性を示唆する興味深い結果を得ることに成功した。 【成果発表】これらの成果の1部は今年3月(富山)の日本薬学会で発表した。
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Research Products
(5 results)