2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591182
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 義久 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (00134205)
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Keywords | 重荷電粒子線 / Bi-material bolus / 照射野の平坦度 / リッジフィルター / 2次元コーンフィルター / SOBP / 陽子線 / 炭素線 |
Research Abstract |
(1)[Bi-material bolus] Bous挿入で生じる線量分布の悪化をBi-material bolusを使い改善することを試みた。Bolusを通過した290MeV/u炭素線や160MeV陽子線のBroad beamが作る水中での2次元線量分布(水平方向と深さ方向)をHIMACのビームを使って測定した。線量分布測定は2mmピッチの平行平板電離箱が96ch並んだ同時多点計測可能な測定器を水中で深さ方向に動かすことで行った。炭素線についての測定の結果、従来型のSingle-material bolusを使った場合には、計算による予測通り線量のdip and bumpによる大きな線量の不均一(著しい場合には10%p-pを越える)が観測された。一方、同一深さにおける散乱を制御したBi-material bolusを使った場合には、線量の不均一は大幅に少なくなることが観測された。このような線量分布の不均一は厚さの差が異なるBolusの各要素の境界付近で著しく、厚さの差が大きいほど大きくなる。我々は、段差の異なるBolus要素境界をもつ4x4の行列型幾何学ファントムを使って定量的にその依存性を求めた。その結果、Bi-material bolusの使用により線量のdip and bumpは約1/3以下に抑えられることが示せた。陽子線については、実験に使用するWobbler法に最適なリッジフィルタを製作することから始めた。そして平坦度が得られることを確認した後、これを使って測定したBolus挿入による線量分布を測定した。その結果、線量不均一については、炭素線の場合と同様の傾向が得られた。 (2)[リッジフィルタ/2次元ハニカムコーンフィルター] 低エネルギー領域で見られるRidge filterの挿入による線量分布の悪化の様子を調べるために、155MeV陽子線に対しMonte Carlo計算を行い、Ridge filter材質としてアルミ合金を使った場合には散乱効果によるProximal側の線量低下が見られた。これに対しアクリル製の2次元ハニカムコーンフィルターを使用した場合には、その効果が低減され線量分布が改善することが示された。GEANT4による計算は時間がかかるため、散乱モデルを取り入れたより簡単な計算コードを開発し、GEANT4と併用した。
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