2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングによる「がん治療指針・効果予測」に関する基盤的研究
Project/Area Number |
16591193
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 厚文 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (90019604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 和宏 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (40143929)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (20281024)
西内 巧 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (20334790)
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
吉本 光喜 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (00345638)
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Keywords | 癌 / 分子イメージング / トレーサー / 治療効果判定 |
Research Abstract |
昨年度までに、癌をターゲットとした新規分子イメージング薬剤を開発するための基礎的研究を行い、シグマリガンドなどの有用な薬剤の研究を報告してきた。今年度は、分子イメージングによる治療モニタリング法として、癌に対して、化学療法や血管新生阻害治療を施した際の^<99m>Tc-MIBI、^<99m>Tc-HL91といったトレーサーの腫瘍への集積の変化についての研究を行うこととした。実験方法としては、LS180大腸癌細胞をヌードマウスに移植し、血管新生阻害剤として2-methoxyestradiolを、化学療法剤として5-fluorouracilを用い、その際のトレーサーの集積変化、腫瘍の酸素分圧について調べた。その結果、治療が施されなかった場合、腫瘍体積は増加し、それに伴い^<99m>Tc-MIBIの集積は減少した。腫瘍の増殖は血管新生阻害治療と化学療法によって抑制された。^<99m>Tc-MIBIの集積は化学療法によって、治療前に比べて減少し、一方、^<99m>Tc-HL91の集積は増加した。それに対して、血管新生阻害治療時には、治療前と治療後でトレーサーの腫瘍への集積に有意な差は観察されなかった。治療を施さなかった場合、腫瘍の酸素分圧は、腫瘍体積増加に伴って減少した。化学療法は、腫瘍の酸素分圧を減少させ、血管新生阻害治療を施した場合は、治療前と同程度の腫瘍の酸素分圧であった。 これら結果により、血管新生阻害治療効果をトレーサーで核医学的に評価する場合、化学療法の治療効果評価とは異なった見方をすべきであることが示された。
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Research Products
(2 results)