2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射後に再生してくる胸腺の解析-胸腺上皮細胞の再生を調節する因子の究明-
Project/Area Number |
16591208
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福本 哲夫 山口大学, 医学部, 教授 (00040171)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 知夫 山口大学, 医学部, 講師 (90187295)
徳田 信子 山口大学, 医学部, 講師 (70227578)
安達 泰弘 山口大学, 医学部, 助手 (10346546)
江部 和勇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90213579)
|
Keywords | ラット / 胸腺 / 放射線照射 / 再生 / 胸腺上皮細胞 / p63 / サイトカイン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ラットに6Gy程度までの放射線を照射すると胸腺は一時急速に退縮するがその後はほぼ正常の重量まで回復する、一方8Gyほどの強さの放射線を照射すると胸腺は退縮し、その後回復するが、その重量は正常の65%程度までにしか回復しない。この理由を明らかにすることが本申請の目的である。胸腺は骨髄からやってくる前駆細胞がTリンパ球へと増殖・分化する重要な臓器であり、増殖・分化を支えているのは胸腺上皮細胞や樹状細胞やマクロファージである。とりわけ胸腺上皮細胞が重要な役割を行っている。申請者らはすでにラットの胸腺上皮細胞の電顕形態学的特徴をもとに上皮細胞の亜群や上皮細胞に発現しているMHC(主要組織適合遺伝子複合体)分子の局在などを免疫電子顕微鏡学的手法を用いて明らかにしてきているので6Gy照射後と8Gy照射後の胸腺上皮細胞の形態学的変化の違いを解析したが、6Gyに比べて8Gy照射の場合の方が胸腺上皮細胞の形態学的、また免疫組織化学的変化が強いことを観察した。このことが8Gy照射後には胸腺の重量が65%程度までにしかならないことと関係があると考えている。またすでに6Gy照射後と8Gy照射後では胸腺における各種サイトカインのメッセージにおいて差があることを確認している。次にin vivoの系において、初代培養胸腺上皮細胞を作製し、それぞれ6Gy及び8Gyを照射した後、胸腺細胞を共培養し、胸腺細胞の増殖・分化に対する影響を調べた。結果はやはり8Gy照射群に比べて6Gyの方がより増殖・分化は強い傾向がみられたが、必ずしも統計学的に有意の差は認められなかった。今後更に他のサイトカインやホルモンなどの調節因子への影響や8Gy照射後と6Gy照射後の胸腺上皮細胞の再生の機序に差がないかなどを検討して行く予定である。
|
Research Products
(4 results)