2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射線抵抗性である抵酸素環境下腫瘍細胞の放射線感受性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16591229
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三橋 紀夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20008585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前林 勝也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60332350)
那須 佐知子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50292602)
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Keywords | 低酸素細胞 / 生存シグナル / HIF1-α / 放射線感受性 / 生存シグナル阻害剤 |
Research Abstract |
1)ZD1839とTrastuzumabを用いた上皮細胞増殖因子受容体の二重阻害による放射線増感 細胞周期に明らかな変化が認められない濃度の阻害剤と3時間接触させることによって照射によって誘導されるEGFRのリン酸化はZD1839で、HER2/neuのリン酸化はTrastuzumabで抑制された。また、ZD1839はEGFRのリン酸化の抑制とともにHER2/neuのリン酸化をも抑制した。AktとMek1/2の照射による活性化も、ZD1839とTrastuzumabを併用することで抑制された。いずれの阻害剤も放射線増感効果を示したが、二重阻害では相乗的な放射線増感効果が認められた。 2)低酸素下での放射線感受性の修飾 A549細胞を用いて低酸素(5%O_2ならびに1%O_2)による放射線感受性の低下をin vitroの系で検索した。細胞増殖能は5%O_2下では抑制されなかったが、1%O_2下では明らかな増殖抑制が認められた。照射24時間前から細胞を低酸素環境下に置き、放射線感受性をコロニー形成能で検討したが、5%O_2下ならびに1%O_2下ともにPEに変化は認められず生残率の増加も認められなかったことから、低酸素によって放射線抵抗性を獲得した証左は得られなかった。しかし、1%O_2下では明らかに小さなコロニーの数が増加していた。 3)子宮頸癌組織のHIF-1αと放射線治療成績 放射線単独治療を施行した子宮頸癌III期例でのHIF-1α,p53,bax,bcl-2の強発現の頻度は、45%,58%,39%,39%であった。大きな腫瘍の方がHIF-1αの発現率が高かったが、症例数が少ないことから有意差に到達しなかった。HIF-1αの発現と再発様式については、HIF-1α強発現例で再発率が有意に高かった。また、10年無再発生存率ならびに10年無転移生存率はHIF-1α低発現例で有意に良好であったが、10年無局所再発生存率には差異は認められなかった。
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Research Products
(7 results)