2005 Fiscal Year Annual Research Report
シルクセリシンによるスーパーハイブリッド徐放薬物伝達システム開発の基盤研究
Project/Area Number |
16591231
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
隈崎 達夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10089675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲本 忠史 群馬大学, 工学部, 教授 (00016643)
林 宏光 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70267201)
高濱 克也 日本医科大学, 医学部, 助手 (50366689)
|
Keywords | 絹タンパク / オリゴペプチド / 抗酸化作用 / DDS |
Research Abstract |
新しい医療材料の研究は、21世紀における医学研究の大きな課題である。本研究は、自然界に存在する昆虫のペプチドを材料とすることによって、従来の化学合成物質による医用材料の問題点を解決することにある。特に、絹セリシンが本来持つ抗血栓性、抗酸化作用および抗腫瘍効果(平成14年度、15年度科学研究費による成果)を活用し、医用材料への応用展開を進めるための基盤研究である。 また、シルクを低分子量化することによって、いわゆる蛋白結合によるアナフィラキシー反応を抑制し、安全性を図ることを目的とした。これらの製作工程は、従来のハイブリッド化をさらに進めたものである。 われわれは、本研究とは別個に行ってきた研究によって、シルクを低分子量化した試料を得ることに成功した。この低分子量化シルクが、それ自体、アナフィラキシー反応がなく、また、優れた薬理効果を有することが明らかになったので、この生体活性物質である低分子量化シルクの徐放化の研究を最終目標とすることに変わりはないが、本研究の目的を達成する前に、まず、低分子量化シルクの構造と生理活性に関する研究を行うこととし、若干の研究方針の変更を行った。 研究の結果、低分子量化シルクは、極めて特異な構造と機能を有することが明らかになった。しかも、抗炎症性、治癒作用問うを有するものであることから、この低分子量化シルクを生理活性物質として用いれば、スーパーハイブリッド徐放薬物伝達システムが可能となる見通しができ、本研究が目的とするシステム開発のための基盤となる重要な成果が得られたと結論される。
|
Research Products
(6 results)