2004 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植のトランスクリプトーム解析による新規拒絶抑制の分子標的探索と開発
Project/Area Number |
16591249
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
斎浦 明夫 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (70345221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 寧彦 東京大学, 医学部付属病院, 助教授 (90313155)
幕内 雅敏 東京大学, 医学部付属病院, 教授 (60114641)
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術センター, 科学技術振興特任教授(常勤形態) (90170266)
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Keywords | 臓器移植 / トランスクリプトーム / DNAマイクロアレイ / 免疫寛容 |
Research Abstract |
マウス心移植モデルにおける急性拒絶反応時のトランスクリプトーム解析ではIFN-γ誘導遺伝子など多くの遺伝子群が発現誘導されることが以前の研究で示された。われわれはこれらの実績を基に、まずマウス心移植モデルにおける免疫寛容時のトランスクリプトーム解析を行った。興味深いことに、CD80,CD86抗体を投与することでマウスでは免疫寛容が誘導できるのであるが、この際のグラフト内においても拒絶時と同様のIFN-γ誘導遺伝子群が発現誘導されていることが、当研究で判明した。同時にグラフト内において同様の炎症細胞浸潤を認めた。このように同様の遺伝子群の発現と細胞浸潤が存在するにもかかわらず、拒絶と寛容といった逆の生理現象が起きるのがその違いを探索した。まずトランスクリプトーム解析においては、12000個の遺伝子のなかでH2-EaとFrzbの2遺伝子が免疫寛容心においてのみ発現が亢進していることが判明した。次に免疫寛容心において特別の細胞群が浸潤しているのかどうか検討した。T,B,macrophageにおいては同様に浸潤しており差を認めなかった。当初、移植心をコラゲナーゼ処理してFACSを利用して炎症細胞の違いを観察しようと考えていたが、実際は細胞のmortilityが十分でなく、抗体が働かなかった。今後、1)他の免疫寛容状態でのトランスクリプトーム解析(様々な抗体等を用いた免疫寛容や、腫瘍における解析)2)臨床(生体肝移植)における拒絶反応時のトランスクリプトーム解析を予定し、準備を進めている所である。すでに、一部、サンプルは採取されており、次年度においてはこれまでの実績を基に1)2)において成果が期待できるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)