2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植と移植片対腫瘍効果を応用した進行肝癌に対する治療法の確立
Project/Area Number |
16591254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堂野 恵三 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60283769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294050)
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362725)
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
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Keywords | 肝移植 / 肝癌 / 骨髄移植 / Graft versus tumor effect / Micro metastasis |
Research Abstract |
本邦でも、肝癌症例に対する肝移植が全肝摘出による主腫瘍の完全摘出と肝移植による肝機能の改善をもたらすことができる有効な治療手段として定着しつつある。しかし、肝移植時に全肝摘出を行っても、肝外に顕微鏡的な癌胞巣が残存する可能性がある。本研究では、遺残するmicro metastasisに対して、ドナー造血幹細胞の移入を同時に行い、graft versus tumor effectによって効果的な再発予防が行えないか検討する事を目的とした。本治療法の臨床応用には、末梢血幹細胞移植の時期と量、キメラ確立の為のプロトコール作成、graft versus host disease(GVHD)に対する対策、抗腫瘍効果の判定法など解決しなければならない課題が数多く存在する。本研究では、まず動物モデルを作成し、肝細胞癌に対する造血幹細胞移植の有効性を検討し、造血幹細胞移植単独で抗腫瘍効果が確認された後に、肝細胞胆癌動物に肝移植を行い、肝内腫瘍を除去後、造血幹細胞移植を行い、肝外に残存した腫瘍に対する効果を検討する予定であった。しかし、担癌ラットにおける骨髄細胞移植の条件設定は非常に難しく、安定したキメラ状態を得る事が不可能であった。肝移植後のアロ骨髄細胞の静注は、一過性のキメリズムを生じるが、速やかにキメラ細胞は血中から消失し、抗腫瘍作用を確認するに至らなかった。今後は、長期間安定な骨髄移植条件を設定すること、抗腫瘍効果を得る為にはどの程度の期間キメリズムが必要かを検討する必要がある。
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