2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗HER2抗体結合リポソーム包埋磁性体に対する誘導加熱による乳癌治療法の研究
Project/Area Number |
16591261
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20210958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 寛治 愛媛大学, 医学部, 教授 (90116020)
野村 信福 愛媛大学, 工学部, 助教授 (20263957)
岡部 永年 愛媛大学, 工学部, 教授 (20281181)
青野 宏通 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00184052)
猶原 隆 愛媛大学, 工学部, 助教授 (50093935)
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Keywords | リポソーム / 誘導加熱 / 磁性体 / フェライト |
Research Abstract |
【対象、方法】コイル径10cm、400-500kHzの周波数帯で、実際に動物モデルを用いて誘導加熱実験を行った。SCIDマウスにHER2高発現乳癌細胞を移植し、約1cmになった時点で、血管造影を施行し腫瘍への血流分布を検査。経尾静脈投与の抗HER2モノクロナール抗体付着リポソームを投与し、5匹のラット、マウスの乳癌組織を摘出し組織学的に腫瘍内に均一にMgFe204が沈着していることを確認した。更に全身麻酔下にコイル径10cm、400-500kHzの周波数帯で5、10、15、20、25、30分の異なった照射時間を設定し各群3匹ずつ誘導加熱を行った。これらの乳腺組織を摘出し、誘導加熱後の周囲へのネクローシスの程度、また時間によるアポトーシスの発現、およびHSP(Heat shock protein)の発現の程度を免疫染色によって確認した。また電顕的な腫瘍凝固壊死効果判定は検討中である。加熱実験中は、体温、血圧、血液データのモニターをしつつ加熱による影響を検討し、異常がないことを確認した。 照射直後、一日後、一週間後、一ヶ月後の組織を摘出、染色によって確認した。 【結果】金属磁性体(マグネタイト、マグネシウムフェライト)を粒子径20-100nmに均一化し、分散させることによりリポソーム包埋に成功した。抗HER2抗体結合だけで抗腫瘍効果を認めたが、更に誘導加熱による局所発熱を加えることで有意な腫瘍抑制効果を認めた。リポソーム包埋抗体結合磁性体を局所注射し、誘導加熱を加えることで7例中6例に腫瘍の消失または著明な縮小効果を認めた。1例には腫瘍増大傾向を認めた。静脈投与、動脈内投与に関しては、来年度に投与限界量や、投与法の検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)