2005 Fiscal Year Annual Research Report
紡錘体形成チェックポイント遺伝子と癌悪性度および微小管阻害剤の抗腫瘍効果との関係
Project/Area Number |
16591266
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
和田 修幸 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (80347335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 敏夫 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (50168514)
乾 健二 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (10193567)
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Keywords | 紡錘体形成チェックポイント |
Research Abstract |
甲状腺腫瘍において、腫瘍増殖や分裂能、転移能、悪性度を表す指標は必ずしも一定した見解にいたっておらず、散見的なデータが報告されるのみである。我々は甲状腺組織における紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現を研究するなかで、分裂増殖や悪性度に関係して発現が増加すると考えられているhTERTの発現とKi67のラベリングインデックスを測定した。hTERTの遺伝子発現の程度はPCR法によって測定した。Ki67のラベリングインデックスは免疫染色法によって評価を定量化し検討した。hTERTの遺伝子発現は甲状腺未分化癌、橋本病、甲状腺濾胞腺腫、甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌の順に遺伝子発現の程度が高い傾向であった。hTERTの全体としての発現は0.041±0.059(Mean±SD)であった。各紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現はBUB1が0.756±0.494(Mean±SD)、BUBR1が0.242±0.111(Mean±SD)、BUB3は21.058±5.335(Mean±SD)、MAD2は1.256±1.440(Mean±SD)であった。個々の紡錘体形成チェックポイント遺伝子の発現とhTERTの発現を検討した。紡錘体形成チェックポイント遺伝子BUB1との相関はr=0.234,r^2=0.055,p=0.3406であり、現在までは統計学的な相関関係を認めていない。また、甲状腺乳頭癌のKi67の発現各紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現について検討した。Ki67のラベリングインデックは1.256±1.440(Mean±SD)であった。BUB1との相関はr=0.446,r^2=0.199,p=0.1745であった。BUBR1との相関はr=0.178,r^2=0.032,p=0.6104であった。BUB3との相関はr=0.197,r^2=0.039,p=0.7772であった。MAD2との相関はr=0.268,r^2=0.072,p=0.4378であった。それぞれの紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現とKi67のラベリングインデックとの間には統計学的に有意と考えられる相関関係は見られなかった。また、進行甲状腺癌と非進行甲状腺癌の2群に分けた場合のKi67のラベリングインデックは、進行癌の平均が2.028±1.759(Mean±SD)であり、非進行癌の平均が0.613±0.762(Mean±SD)であった。この2群間における統計学的な比較ではP=0.1065であり、有意な差を認めなかった。これらの結果については、さらに検討数を増やしてこれまでの結果を再検討したい。
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