2007 Fiscal Year Annual Research Report
紡錘体形成チェックポイント遺伝子と癌悪性度及び微小管阻害剤の抗腫瘍効果との関係
Project/Area Number |
16591266
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
和田 修幸 Yokohama City University, 医学研究科, 准教授 (80347335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 敏夫 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (50168514)
乾 健二 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (10193567)
|
Keywords | 紡錘体形成チエックポイント / 微小管阻害剤 / 癌悪性度 / 医療費抑制 |
Research Abstract |
MCF-7(乳癌の細胞株)における微小管阻害剤(タキソール)による濃度別(コントロール,1.0nM,10nM,50nM,100nM)の抗腫瘍効果と紡錘体形成チェックポイント遺伝子の発現を定量した。コントロール、1.0μmol,10μmol,50μmol,100μmolにおける遺伝子発現は、BUB1,BUBR1,MAD2において微小管阻害剤の濃度上昇とともに発現も上昇する傾向が見られた(50nMあるいは100nMの場合はcelldeathが有意と考えられる場合もあった)が、相対的発現はBUB1が1.25,1.13,1.27倍(1.0nM,10nM,50nM)、BUBR1が1.25,1.14,0倍(1.0nM,10nM)、MAD2が1.27,1.13,1.40倍(1.0nM,10nM,50nM)であり、必ずしも一定の傾向が認められなかった。臨床例では興味ある結果が得られた。甲状腺未分化癌における発現は、BUB1が腫瘍組織で36.45、近接正常組織でlow expression、BUBR1が腫瘍組織で33.45、近接正常組織でlow expressionであった。MAD2は腫瘍組織と近接正常組織で発現に差が認められなかった。この結果は分裂増殖能が高い(悪性度が高い)ことに関係すると考えられたが、同時に紡錘体形成チェックポイント遺伝子発現を認めることより微小管阻害剤の治療対象になりうると考えられた。実際に投与された微小管阻害剤(タキソール)による抗腫瘍効果が臨床的に認められ、画像検査にて多発肺転移は縮小傾向にある。この結果を踏まえて、さらに臨床的な検討を加えたいと考える。
|
Research Products
(1 results)