2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるStat5を標的とした分子標的治療および乳癌予防薬開発の可能性の検討
Project/Area Number |
16591267
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山下 啓子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70332947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 弘敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40211065)
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Keywords | 乳癌 / Stat5 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
転写因子Stat5を分子標的とした乳癌治療の可能性、さらにStat5阻害剤の乳癌の予防薬としての可能性を検討中である。 我々は、様々なヒト乳癌細胞でStat5bのチロシン残基が持続的にリン酸化(活性化)していること、さらにエストロゲンレセプター陽性ヒト乳癌細胞T47Dにおいて、Stat5を抑制することによりアポトーシスが誘導されることを見出した(Yamashita H et al. Oncogene, 2003)。引き続き本研究により、T47Dヒト乳癌細胞を用いて、in vitroおよびin vivoでStat5の機能を抑制する(dominant-negative Stat5を発現するアデノウイルスベクターAdStat5aΔ740を使用)ことによるアポトーシス誘導のメカニズムを検討し報告した(Yamashita H, et al. Cancer Science, 2004)。in vitroにおいては、T47D細胞にAdStat5aΔ740を感染させStat5の標的遺伝子であるCyclin D1、Bcl-xL、p21遺伝子の発現を検討したところ、Cyclin D1、Bcl-xLの発現の減少およびp21遺伝子の発現の増加を認めた。in vivoにおいては、ヌードマウス(メス)にT47D細胞を皮下投与することによりxenograft modelを作成しAdStat5aΔ740を腫瘍内投与することにより、腫瘍の縮小とTUNEL陽性細胞の増加、Cyclin D1、Bcl-xLの発現の減少およびp21遺伝子の発現の増加を認めた。また現在、臨床材料である乳癌組織におけるStat5の発現を解析し、臨床病理学的因子との相関の解析を行っている。特に、エストロゲンレセプター陽性乳癌におけるStat5の役割について、また、Stat5発現陽性乳癌におけるホルモン療法の効果について検討中である。
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Research Products
(1 results)