2005 Fiscal Year Annual Research Report
トールライクレセプターとTCR Vβレパトアによる遺伝子制御自然免疫構築の解析
Project/Area Number |
16591277
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有賀 淳 東京女子医科大学, 医学研究科, 教授 (40221056)
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Keywords | トールライクレセプター / TCR Vβ / 自然免疫 / γδ型T細胞 |
Research Abstract |
(1)健常人末梢血単核細胞からのγδ型T細胞の誘導と解析 平成16年度の研究ではヒトCD3陽性αβ型T細胞におけるトールライクレセプターの発現は確認できなかった。そのため平成17年度は、自然免疫応答に関与することが示唆されているγδ型T細胞の誘導を試み、その免疫機能とトールライクレセプター発現解析を行った。3名の健常人末梢血を採取し、赤血球を除去して単核細胞層を採取した後に、Zoledronic acidを0〜10μg添加して2週間培養した細胞のγδTCRの発現をフローサイトメーターにて解析したところ、90%以上の培養細胞がγδTCRを有しており、選択的にγδ型T細胞が誘導可能であった。このγδ型T細胞は複数の腫瘍細株に対して細胞傷害活性を示し、非特異的免疫応答に寄与していることが推測された。このγδ型T細胞の表面分子発現をフローサイトメーターにて解析したところ、CD11b、CD62L、CD56、CD31、CD27、CD86、CD25、CD45RO、CCR4が陽性であり、高率にIFNγの産生を認めた。γδ型T細胞のトールライクレセプター1〜9の発現について、現在解析を進めている。 (2)レンチナン活性化単核細胞の免疫学的特徴解析 平成16年度の研究では細菌のLPSなどPAMP物質を認識するトールライクレセプター4をOK-432で活性化して検討を行った。TLR4の発現が確認されたCD14陽性細胞はまた、多糖体であるレンチナンと結合することが知られている。そこで平成17年度はレンチナンとトールライクレセプターの結合につき、解析を行った。レンチナンはTLRを発現しないCD3陽性αβ型T細胞とは結合せず、TLR4を有するCD14陽性単球と結合して、IFNγなどのサイトカイン産生増強を誘導した。TLR4を中心にレンチナン結合受容体とトールライクレセプターとの関連につき、現在解析を進めている。
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