2004 Fiscal Year Annual Research Report
βラクタム系抗生剤併用で増悪するMRSAのバンコマイシン耐性の重要性を検討する
Project/Area Number |
16591283
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原賀 勇壮 福岡大学, 病院, 助手 (80330926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大慈弥 裕之 福岡大学, 病院・助教授 (60160488)
喜多村 泰輔 福岡大学, 病院・助手 (70352242)
永山 在明 福岡大学, 医学部, 教授 (70037373)
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Keywords | MRSA / BIVR / 耐性菌 |
Research Abstract |
MRSA感染症が持続している間、入院経過中に上気道、創面、便、尿から採取されたMRSAの検体を凍結保存した。凍結保存時の検体の取扱いと記録は、患者のプライバシー、守秘義務などの観点から、「匿名データ」のみの記録を残し、研究代表者である形成外科助手原賀が行った。 凍結保存の際には、継代培養による耐性変化の影響を避けるために臨床検査室の最初の分離培養の寒天培地から採取することとし、増菌後、医学部微生物学のディープフリーザーにて凍結保存した。BIVR株であるか否かが臨床経過に影響を与えないように、対象患者の治療終了後までBIVR株か否かの判定は行わないことした。 採取された745株のMRSAを分析した。 BIVRのスクリーニングディスクを用いて、CZX入りのディスクを用いて誘導帯が出現した株をBIVR株と定義した。その結果、救命救急の7株(No.37,No.582、No.627、No.650、No.670、No.675、No.685)消化器の1株(No.462)、循環器の5株(No.577、No.603、No.637、No.639、No.646)、外科2の2株(No.608、No.618)、脳神経の2株(No.660、No.681)の合計17株が、BIVR株として検出された。 いずれの株もMRSAが持続して検出された経過中に検出されており、治療期間を遷延化させている可能性が確認された。 今回の対象とした株からは、連続してBIVRが検出された事例は無かった。 そのため、治療経過中にBIVR株の耐性が増悪したのか否かは確認できなかった。
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