2005 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞における多様性とHLA欠損の克服を目指した新規癌ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
16591297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角田 卓也 東京大学, 医科学研究所, 特任助教授 (30275359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
高山 卓也 東京大学, 医科学研究所, 講師 (10332579)
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Keywords | がんワクチン / ペプチド / 細胞障害性T細胞 / 免疫療法 |
Research Abstract |
癌ワクチン療法の臨床効果を不十分にしている原因の一つとして、腫瘍細胞の多様性とHLAクラスIの欠損が考えられる。すなわち、特定の腫瘍関連抗原を標的とした癌ワクチン療法において、誘導された腫瘍特異的CTLによって腫瘍関連抗原を有する腫瘍細胞は傷害するが、この腫瘍関連抗原が腫瘍の形質維持に絶対的なものでない場合、この抗原を有しない腫瘍細胞が残存して増殖すると考えられる。さらに、腫瘍特異的CTLがクラスI拘束性に作用するため、クラスI分子の発現が低下あるいは欠損した腫瘍細胞は傷害できず、治療抵抗性となると考えられる。そこで、これらの問題点を克服する目的で、特異的CTLの標的細胞を腫瘍血管内皮細胞とする新たな癌ワクチン療法を開発することを本研究の究極の目的とした。腫瘍血管内皮細胞特異的CTLを誘導するエピトープペプチドがin vivoでも抗腫瘍効果を発揮できるかを検証する目的で、A2/Kbトランスジェニックマウスを用いて検討した。本マウスは、C57BL/6由来でHLAα1およびα2ドメインがヒト由来のHLA-A^*0201のシークエンスで、α3ドメインがマウス(Kb)由来であるようなキメラクラスI分子を発現している。よって、このマウスに上記で決定したヒト由来HLA-A^*0201拘束性エピトープペプチドが使用可能となる。本マウスを用い決定したエピトープペプチドを決定する目的で、CE13ペプチドによりワクチンし、CTLを誘導する条件について検討し、細胞障害活性の得られるCTLを誘導できた。さらに、腫瘍新生血管に高発現している分子に免疫原性があることを証明するために、HLA結合性のペプチドを予測し合成した。このペプチドがCTLを誘導できることを証明し、細胞性免疫の標的になりうることを証明した。
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