2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591299
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成瀬 勝俊 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50291323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康行 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00235128)
幕内 雅敏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60114641)
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Keywords | 人工肝臓 / 肝不全 / 血漿交換 / 血液透析濾過 |
Research Abstract |
我が国における人工肝臓の臨床応用の現状を見てみると、1985年の東京女子医科大学の寺岡らによるブタ全肝を用いた臨床応用を最後に行われていない。社会的規制が他のどの国よりも厳しく、倫理委員会を含め、それをクリアして臨床応用を実現することが困難であり、人工肝臓を肝不全の有用な治療法として普及させるために、性能、安全性、操作性のいずれもが優れたシステムによる臨床応用の実現がまず望まれるところである。今年度当初、全肝収納装置の製作を進め、ヒト全血を貯留したリザーバーを患者に見立て、in vitroの灌流治療を行ない、臨床応用を検討した。しかるに他大学においては、九州大学、長崎医科大学によるそれぞれの学内倫理委員会への臨床応用の申請については拒絶されており、当科内での検討においても臨床応用の実現は困難と考えられ、当面見送らざるを得ない状況である。現在のところ、臨床で用いられている血漿交換と血液透析濾過を併用する方法の欠点である医療資源的コストの高さを解決するために、形質転換ブタによってヒト血清アルブミンを安価に大量に生産し、このヒト血清アルブミン投与と血液透析濾過を併用する方法をより現実的な肝不全の治療法として検討しており、既に臨床におけるトライアルを開始している。
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