2005 Fiscal Year Annual Research Report
MHC拘束性に基づいた癌細胞・樹状細胞アロ融合による癌ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
16591316
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神垣 隆 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20372641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味木 徹夫 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80379403)
川崎 健太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (90379404)
高瀬 至郎 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (00379405)
黒田 嘉和 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178143)
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Keywords | CT26大腸癌細胞 / 樹状細胞 / MHC / gp70 env MuLV / CTL / Pentamer / 癌細胞・樹状細胞アロ融合 / 癌ワクチン |
Research Abstract |
平成17年度は平成16年度に引き続き動物モデルにおいて癌細胞・樹状細胞融合細胞を用いた癌ワクチン療法をペプチド療法と比較した。具体的には、Balb/cマウスおよびマウス大腸癌細胞株CT26およびCT26にβ-galactosidaseを遺伝子導入したclone25を用いてCT26ではその特異抗原であるgp70env MuLV(AH-1:SPSYVYHQF)に対するCTL誘導能を癌細胞・樹状細胞融合細胞を用いて検討した。さらに、clone25ではAH-1とともにβ-galactosidase(TPH:TPHPARIGL)に対するCTL誘導能をH-2Ld拘束性に癌細胞・樹状細胞融合細胞を用いて検討した。 その結果、CT26を用いたH-2d樹状細胞との融合細胞ワクチンではH-2Ld拘束性CTLの誘導が確認された(2.67% vs controlの0.82%)。一方、TPHに対するCTLの検討では、0.37%とCTL誘導が確認されなかった。さらに、CT26clone25を用いたH-2d樹状細胞との融合ワクチンでは、AH-1およびTPH両者に対するCTL誘導が確認され、それぞれPentamer assayにて1.02%および1,10%とコントロールの0.34および0.46%にくらべ有意に同定可能なCTLが誘導された。 一方、H-2b樹状細胞によるアロ融合細胞ワクチンにおいてはCT26を用いた場合、AH-1拘束性CTL誘導能は3.30%であり前述のH-2d樹状細胞の2.67%に比べ高い傾向にあった。しかしながらCT26・アロ樹状細胞融合細胞ワクチンでも現在のところTPH拘束性CTLの誘導は検出されなかった。さらにCT26clone25を用いたH-2bアロ樹状細胞との融合ワクチンでは、AH1およびTPH拘束性CTLの誘導能はそれぞれ1.60および1.44%であった。さらにH-2d/H-2b F1マウスにおける樹状細胞による融合細胞ワクチンではそれぞれ1.65および2.22%と最も高いCTL誘導能を示した。以上より癌細胞・樹状細胞融合細胞ワクチンによるポリクローナルCTL誘導の確認とアロ樹状細胞を用いた場合のCTL誘導能の優位性が証明された。
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Research Products
(1 results)