2006 Fiscal Year Annual Research Report
MHC拘束性に基づいた癌細胞・樹状細胞アロ融合による癌ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
16591316
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神垣 隆 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20372641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味木 徹夫 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80379403)
川崎 健太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (90379404)
高瀬 至郎 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (00379405)
黒田 嘉和 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70178143)
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Keywords | CT26大腸癌細胞株 / 樹状細胞 / MHC / CTL / 癌ワクチン / 癌細胞・樹状細胞アロ融合 / 肺転移 / 腫瘍予防モデル |
Research Abstract |
平成18年度はマウスに癌細胞・樹状細胞融合細胞ワクチンを投与し腫瘍予防モデル、肺転移治療モデル作製し効果を検討した。マウスと樹状細胞はBalb/c(H-2d)、C57BL/6(H-2b)、B6D2F1(H-2b/d)を、腫瘍細胞はBalb/c由来大腸腺癌細胞株CT26CL25を用いた。免疫群はPBS投与群(以下PBS群)と自己(Balb/c)、非自己(C57BL/6)そして半非自己(B6D2F1)樹状細胞腫瘍細胞融合細胞投与群(以下、自己融合群、非自己融合群、半非自己融合群)の計4群で行った。この融合細胞を計2回Balb/cマウスに皮下投与し免疫を行った。腫瘍予防モデルでは、先に免疫を行った後に腫瘍を皮下接種、発育してくる腫瘍径を測定。肺転移治療モデルでは先に腫瘍を静注した後で免疫を行い肺内に生じた結節数を計測した。腫瘍予防モデルでは、自己融合群が75%の拒絶率、非自己および半非自己融合群は100%の拒絶率を示した。肺転移治療モデルではPBS群が151±27個、自己融合群は67.8±6.3個であり有意に転移数の減少を認めた。非自己融合群では16.3±3.5個と自己融合群より転移数の減少を示し、半非自己融合群が8.3±7.9個と最も強い治療効果を示した。さらに以下の免疫モニタリングを行なった。CT26CL25を標的とした^<51>Cr遊離試験では、E/T比50:1で半非自己融合群、非自己融合群、自己融合群がそれぞれ44.3%、34.6%、32.5%であり、半非自己融合群が自己融合群と比して有意に高値であった。YAC-1を標的としたNK活性ではE/T比50:1で非自己融合群、半非自己融合群がそれぞれ59.3%、54.6%で自己融合群の46.3%と比して高値であった。Cytometric Bead Array法にてのIFN-γはPBS群の418.6±18.5pg/mlと比較して、自己融合群で1526.5±217.9pg/mlと有意に高値を示し、非自己融合群では1842.1±230.8pg/ml、半非自己融合群では2089.9±129.7pg/mlとより高い数値を示した。IL-10は3群間で大きな差はなかった。Th1/Th2比の指標としたIFN-γ/IL-10比を算出すると自己融合群で1.68±0.31、非自己融合群で1.84±0.27を示し、半非自己融合群で2.87±0.09と有意に高値であった。以上により半非自己あるいは非自己樹状細胞が自己樹状細胞より樹状細胞腫瘍細胞融合細胞ワクチン療法において有意に強い抗腫瘍効果を誘導することが示された。
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Research Products
(3 results)