2004 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の病態への顆粒球コロニー刺激因子関与の定量的調査と新しい治療薬の開発
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16591320
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
速水 啓介 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50363049)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / STAT3 / G-CSF / IL-10 / 創薬 / 自己免疫疾患 / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
平成16年度および平成17年度の研究計画として提出した下記項目の進行状況を報告する。 1.炎症性腸疾患の発症要因として体質的なG-CSF産生性の異常が関与しているか調査する。 (1)ラット系統によりアラーム・シグナルに対する単球のサイトカイン産生パターンに差異があるか検討する。 遺伝背景の異なる5系統のラットを用いて転写因子STAT3の転写レベルを比較したところ高低の二群に分類可能であることが判明した。 (2)ラットの系統の違いによりハプテン誘導性大腸炎の病態に差異が生じるか検討する。 上記二群の各系統において炎症の病理像およびサイトカインパターンを検討したところ、STAT3,G-CSF, IL-10の発現レベルと浸潤細胞およびサイトカインの種類に密接な関係がみられた。低値群ではTh1有意(クローン病型)、高知群では好中球型(潰瘍性大腸炎型)であり、前者にはリコンビナントG-CSF治療が有効であった。 (3)クローン病と潰瘍性大腸炎の臨床例を鑑別し活動性を量的に評価するための指標としてG-CSF/IL12産生比が有効か調査する。 臨床サンプルの収集を開始したが、解析は未施行である。 2.G-CSF増強作用を有するG-CSF-IL-10融合蛋白(GCSF-IL10)および拮抗作用を有するG-CSFレセプター-IgGFc融合蛋白(GCSFR-Fc)を作製し、炎症性腸疾患動物モデルでの内因性G-CSFの役割を量的に評価する。 遺伝子工学手法を用いてGCSF-IL10のDNAテンプレート作製とシークエンス確認を完了した。小規模スケールで蛋白合成と精製を行い分子量が予想される値であることを確認したが、生理活性および拮抗蛋白の作製については未施行である。
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