2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対する肝移植療法の基礎的実験:分子標的治療を応用した肝癌再発抑制の研究
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16591321
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田代 裕尊 広島大学, 病院, 講師 (90359894)
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Keywords | ラット肝細胞癌 / ラット肝移植 / FK506 / Rock阻害剤 / migration |
Research Abstract |
(1)ラット肝細胞癌株をラット肝臓に移植することで、自然経過では肺転移を来たし死亡するラット肝細胞癌モデルに対して肝移植を行い、術後FK506を1週間皮下投与すると、肝移植を行わない自然経過群と同様に肺転移を来し死亡することが確認され、ラット肝細胞癌肝移植モデルの確立ができた。 (2)ラット肝細胞癌肝移植モデルに、FK506を1週間皮下投与し、Rock阻害剤投与群(経口で2週間投与)、非投与群に分けた所FK506単独投与群に比べRock阻害剤併用投与群で生存日数の有意な延長を認めた。FK506単独投与群で死亡時に転移を認めたのに対し、Rock阻害剤併用投与群では転移も認めず、肝細胞癌に対する肝移植でRock阻害剤が肝癌再発を抑制しうることをin vivoにおいて証明できた。 (3)In vitroでの癌浸潤能の解析は、migration assayを行った。Rho kinase(Rock)のリガンドであるLPA投与で腫瘍細胞のmigration能の亢進、Rock阻害剤投与でmigration能の抑制を確認した。免疫抑制剤(FK506)の投与で、腫瘍細胞のmigration能がLPA同様に亢進し、FK506投与によって亢進したmigration能がRock阻害剤投与で抑制された。 (4)Rock標的因子のミオシン軽鎖{MLC)のリン酸化レベルはFK506投与で増加し、Rock阻害剤併用投与で減少した。(3)(4)より免疫抑制剤が癌細胞のmigration能を亢進し、亢進したmigration能がRock阻害剤投与で抑制されることを証明した。 (5)細胞増殖や分化に関与のRas/MAPキナーゼシグナル伝達系は、FK506およびRock阻害剤投与下にMTTアッセイで腫瘍細胞の増殖には影響を与えず、ウエスタンブロット法を用い、FK506投与およびRock阻害剤投与下にMAPキナーゼのリン酸化能も影響されなかった。
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Research Products
(1 results)