2004 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍溶解性ウイルスであるReovirusを用いた膵癌に対する治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16591331
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松本 敏文 大分大学, 医学部, 助手 (90347039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 正剛 大分大学, 医学部, 教授 (90169871)
太田 正之 大分大学, 医学部, 講師 (80271104)
西園 晃 大分大学, 医学部, 教授 (70218155)
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Keywords | Reovirus / 膵癌 / 肝転移 / 腹膜転移 |
Research Abstract |
シリアンハムスターおよび同種膵癌細胞株を用い、in vivoおよびin vitroにおいてreovirusの抗腫瘍効果について検討した。 1.In vitro a)レオウイルスの培養膵癌細胞に対する殺細胞効果を顕微鏡にて確認した。WST-lassayにてレオウイルス投与群は非投与群に比べ有意に細胞増殖が抑制された。 b)[^<35>S] methionineを用いたradiolabeling法にてレオウイルス感染膵癌細胞内でのウイルス合成蛋白を確認できた。 2.In vivo c)膵癌皮下腫瘍モデルでの検討 ハムスターの皮下に膵癌細胞を移植、腫瘤形成後にレオウイルスを腫瘍内に接種したところ、不活化したレオウイルスを用いたコントロール群と比べ有意に腫瘍サイズは縮小した。また、対側に形成された腫瘤(遠隔腫瘍)に対しても同様の抗腫瘍効果が得られた。免疫染色にて、腫瘍特異的にreovirusの感染が確認できた。 d)膵癌肝転移モデルでの検討 ハムスター脾臓に膵癌細胞を接種し肝転移を形成した後、レオウイルスを経門脈経路で投与した。その結果、コントロール群と比べて、レオウイルス投与群は肝転移数、肝重量は有意に低い結果であった。 e)腹膜転移モデルでの検討 ハムスター腹腔内に膵癌細胞を注入し腹膜転移を形成した後、レオウイルスを腹腔内に投与した。その結果、コントロール群と比べて、レオウイルス投与群は腹膜転移は有意に低い結果であった。 以上より、レオウイルスは膵癌転移に対しても、その抗腫瘍効果が認められ、膵癌の治療法としてその臨床応用が期待できると考えられた。 今後、第I相臨床試験を準備予定である。
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Research Products
(6 results)