2004 Fiscal Year Annual Research Report
RECK/MMP-9balanceによる消化器癌悪性度診断のパラダイムシフト
Project/Area Number |
16591342
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
久永 倫聖 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (30275341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 直也 奈良県立三室病院, 外科, 医長 (20336861)
長尾 美津男 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10326340)
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Keywords | RECK / MMP-9 / 大腸癌 |
Research Abstract |
【目的】臨床消化器癌症例におけるRECK遺伝子発現の有無、程度を解析し、またMMP-9発現をも併せて評価(RECK/MMP-9 balance)することにより癌の悪性度を客観的に把握し得るか否かを検討することにある。平成16年度は大腸癌におけるRECK遺伝子発現と臨床病理学的因子、予後との相関の有無を検討した。 【方法】(1)まず、大腸癌症例より得られた凍結切片を用いて癌部、非癌部よりRNAを抽出し、Nothern Blot Hybridizationを行い、NIH imageにより発現強度を定量化した。(2)免疫組織化学染色(ABC法)によりRECKおよびMMP-9蛋白の発現率、部位、強度を観察した。染色強度、染色面積を評価し、overall scoreを算定した。(3)活性型MMP-9の癌部での発現を観察するため、gelatin zymographyを行った。(4)データ解析:mRNAレベル、蛋白レベルでの癌部、非癌部におけるRECK score、MMP-9 scoreと各種臨床病理学的因子との相関を解析した。また活性型MMP-9とRECK score, MMP-9 scoreとの相関、さらに、RECK/MMP-9値と各種臨床病理学的因子との相関を単変量、多変量解析し、予後との関連を評価した。 【結果】癌部では非癌部に比べ、RECK mRNA発現が低下していた。RECK蛋白発現は、組織型、リンパ節転移、Dukes' stage、脈管侵襲との相関が認められた。無再発生存率は、RECK陽性例は陰性例に比べ、有意に再発率が低かった(p=0.011)。RECKとMMP-9の発現を併せて評価したところ、RECKを優位に発現している症例(RECK≧MMP-9)では、その他の症例に比べ、有意に再発率が低く(p=0.0003)、多変量解析でも独立した予後因子となった(p=1.0122)。Gelatin zymographyによる活性型MMP-9とRECK発現との間には相関を認めなかった。 【総括】RECKは大腸癌においてその発現が低下しており、大腸癌の予後を強く規定する因子であることが明らかとなった。またRECKとMMP-9発現のバランスを評価することにより、大腸癌の悪性度を把握できることが示された。
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Research Products
(1 results)