2006 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内間質を標的とした機能抗体作製による新たな膵癌治療
Project/Area Number |
16591343
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50364063)
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Keywords | 膵癌 / 抗体療法 / 腫瘍内間質 |
Research Abstract |
平成18年度は,これまでに以下の結果を得た. 膵癌における間質の役割を明らかとするために,Programmed Death-1(PD-1)Ligand-1(PD-L1)およびLigand-2(PD-L2)の発現,さらにTWEAK-Fn14の発現を各モノクロナール抗体を用いて,膵癌切除標本において免疫染色を行なった.その結果,膵癌腫瘍とともに腫瘍内間質に各々の発現を認めた.したがって,これらの分子が膵癌の発生および増殖に何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆された.すなわち,PD-L1,PD-L2の発現は腫瘍応答性の免疫担当細胞に機能を不全を起こさせている可能性が示唆された.これまでの報告では,腫瘍浸潤T細胞にアポトーシスが誘導されることが明らかとなっているが,膵癌においてもその可能性がある.PD-L1発現と術後予後との間に有意な相関がみられた.さらにPD-L1発現と腫瘍内浸潤T細胞との間に有意な逆相関がみられた.以上の事から,臨床膵癌においてもこの経路が有意な関与をしている可能性が示唆された. また,マウス同系癌腫皮下接種モデルにおいて,また抗PD-L1抗体や抗TWEAKあるいはFn14抗体によるin vivoにおける腫瘍増殖抑制実験を行った.その結果,抗体投与により,対照群に比べて,有意に腫瘍の増殖は抑制された.抗PD-L1抗体による治療実験では,腫瘍内の免疫活性の上昇がみられた.さらにTWEAK-Fn14の発現は,腫瘍細胞の増殖さらには血管新生に関与している可能性が示唆された.これまでに血管新生が膵癌切除後の予後と有意に関与することをわれわれは報告してきているが,さらにTweak-Fn14もこのシステムに関与している可能性があり,今後さらに研究をすすめ,詳細な機序を明らかとすることを試みる.
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Research Products
(1 results)