2004 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的なDNAメチル化解析による若年者大腸癌と高齢者大腸癌の遺伝子発現の比較
Project/Area Number |
16591348
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (20142242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 義男 (財)癌研究会, 癌研究所・遺伝子診断研究部, 部長 (10281594)
甲斐 敏弘 自治医科大学, 医学部, 講師 (40260830)
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Keywords | 若年大腸癌 / 異常メチル化 / MS-RDA法 / alpha-1-B-adrenergic receptor / 細胞増殖抑制能 |
Research Abstract |
大腸癌において異常なメチル化が発生している遺伝子を網羅的に検索するために、Methylation-sensitive representational difference analysis(MS-RDA)法を用いて若年者大腸癌症例を対象とした検索を施行した。加齢によって生じるメチル化を除外するために、25才と27才の女性で大腸癌の家族歴を有さないにS状結腸癌2例を対象とした。新鮮切除標本から採取した組織をguanidine thiocyanateで処理したサンプルからDNAを抽出した。2例の癌部サンプルと正常粘膜部サンプルをそれぞれ別々に混合して分析に用いた。腫瘍部でメチル化を認め正常粘膜部ではメチル化を認めない遺伝子をMS-RDA法によって検索した。その結果、計33個のPCR産物を抽出した。33個中、1個がalpha-1-B-adrenergic receptorのexon1(ADRA1B)とexon2の間のintron領域であることが同定された。残りの32個のPCR産物中、28個のPCR産物はmitochondrial DNAであり、残りの4個はgenome中の存在部位が同定できなかった。ADRA1Bはalpha-1-adrenergic receptor familyの一つで、G蛋白結合膜蛋白である。同familyは細胞外からの細胞増殖刺激を細胞内に伝達することで、細胞の成長と増殖をコントロールする役割を持っている。ADRA1Bの細胞増殖抑制能はcyclin dependent kinase inhibitorであるp21WAF1及びp27KIP1のup-regulationによる可能性が示唆されている。今後、大腸癌症例におけるADRA1B遺伝子のメチル化について、その頻度、さらにADRA1B遺伝子のメチル化陽性大腸癌の特徴について検索する。
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Research Products
(7 results)